6/24のねこさん       文は田島薫

シックテラス王 3

先週末の夕方、家人と長野から帰って来て霧雨の中を駅から自宅への道を歩いてる途中、

ねこよこちょう入口角の家の庭のテラスをのぞくと、いつものシックはいなくて、代わ

りに黄とらがいた。黄とらに、よ、って手を上げたら、こっちを見てるんだけどちょっ

と落ちつかない感じで、すぐに、テラスの手すりにまたかかってたマットの上に飛び乗

ってからまたこっちを見てる。雨が降ってるからシックはやっぱりいないよ〜だな、っ

てまわりを見渡すと、われわれのいる方に近い左手の塀に沿った植木のかげにシックが

いて、テラスの方とこっちを交互に見てた。


や〜、この台の上の王だってことになったぼくなんだけど、こ〜、雨が降ってくっと、

ごろりんごろりん、って寝ててもあんまし気持ちいくないんだね〜、なんだか、体がじ

とじとしてきて毛がくっついてきちゃってさ、ま、それでも、がまんできない、ってほ

どでもないんで、なんとなく、ごろりんってやったり、立ち上がったりしてたんだけど、

そこへ、とらあにーが来たもんだで、なんだか、あに〜い〜とこ来たね〜、って気がし

てさ、すぐに、あに〜にいつもおせわんなってっから、つって台ゆずってやったんだよ

ね、ぼくはこっちの樹の下に行くから、って、こっちの方が、体ぬれなくてい〜ね〜、

あに〜、じゆーに使ってよー、台、いつでもゆずっかんね〜、雨降った時は。


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