昨日の日記          文は田島薫



忘年会幹事のひとりずもう


忘年会、ってもんは当然やるもんだ、って感じで事務所でのそれは数十年間の習慣に

なってたんだけど、だんだん参加者たちの体調不良などで出席率も悪くなって来たと

ころに、事務所をさいたまに移したり、両親の看病なども重なったりで、どんどん形

骸化。それでも年末んなると、参加意欲だけは100%のバンドごっこ中心にやっか、

って、メンバーに打診するんだけど、これが、一発で決まることが皆無。

みんないい年んなったんだから、いつでもヒマで、おー、ってすぐみんなが集まるの

かと思うと、なんだかそれぞれいろんなことやってて、やれ、年内仕事で忙しいとか、

地元の集会が続いてるとか、で全員集れることがまずない。

一番忙しそうなメンバーから打診しとこ、ってことで、金曜の午前中、はるさんの携

帯メールに、平日でもいいんだけどオフの予定はないか、って打診してみると午後3

時過ぎても返事はない。ま、事務所閉めるまでに予定が立てば、それを基準に他のメ

ンバーに順次打診すればいい、ってことで、お茶を飲みに居間に行き、そのまま家人

お気に入りの映画「ラブ・アクチャリー」を一緒に観て、終ったらもう6時。

事務所行ってメールチェックすると、返事が3時半に来てて、「明日かまたは新年会

希望」って急な話。こりゃ無理だろう、と思いながらも、一応メンバーのサニーとヨ

シダくんの携帯にメール。返事は1時間たってもどちらからも来ないんで、サニーの

携帯へ直接電話してみると、留守電になってるもんで、メールしといたから、って言

って切る。1時間ごとにメールチェックしては、はるさんに返事なしの報告をした5回

めぐらいの午後11時に、明日でもいいから寝ましょう、ってことに。

翌朝、起きて、メールチェックしてみると、それぞれ午前0時過ぎと午前2時ごろに、

地元バンドのイベントのため、と先約忘年会のため、でのダメ返事メール来てた。

はるさんに、じゃ、新年会、ってことで、って、でも、ヒマならはるさんだけでも来

てもいいですよ、ってメールしたら、3時過ぎになるけどりょうかい、って。

3時半まわったころ、ギターケースしょってレジ袋下げたはるさんがどもども、って

来訪。はるさんはいつも自分で好きな食材持参して、自分で調理してふるまってくれ

るもんで、こっちは白菜とシャケ入れた湯豆腐と酒だけしか用意しなかったんだけど、

やっぱり、まぐろのヅケとローストビーフかいわれ付きとトラフサケ(だったっけ?)

の、わが家では見かけることのない、料理屋さんのような皿が出た。

で、第3のビールで乾杯して宴会開始。はるさん来る前からエレクトリック・マイル

スデヴィスをずっとかけてテレキャスターで合わせてたんだけど、はるさんの手際の

いい調理が終って、全員(といっても家人いれて3人だけだけど)席についた時、音

楽の選曲に問題がある、って多数意見に私が敗れ、結局音はいらない、じっくりお話

しよう、ってことで私も納得、たしかにその音じゃ落ち着かない。

じっくり、はるさん周辺のおもしろい人々の話やら、特定秘密保護法への全員の批判

やら、中国歴史観(?)やら、ギターで一節演歌やら、でぐいぐい酒飲んでるうちに、

夜はどんどんふけて行き、私の意識もおぼろになって行った。




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