サニーイズム          文と写真はさぬがゆたか


「世俗的」イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
世間で色んなことあった日、ギタリストサニーは地元のお祭りに出演しました。



2013年11月3日 晴れ


文化の日、園遊会に出席していた山本太郎参議院議員が

天皇陛下に直訴の手紙を渡し大騒ぎになった。

福島第一原発事故への気持ちが余りにも高ぶり、その現実を

どうにかどうにか伝えたかったんだろうけど、おそらく陛下は

すべてすでに察しているはずで、安倍総理よりもはるかに

現地に足を運んでるのだから大丈夫だと思う。

山本議員のその真っすぐさは、大人ぶってる連中の国会の中で

厄介だろうけど、そうでもしないと己の保身ばかりに夢中なって

る腐った脳みそにゃ届かないだろうと思ったに違いない。

今後のこの国を支える人達を本気に考えれば、下手な雄弁や常識

よりも勝るのはまず人の命に健康があってこそだろうに。

明治の田中正造氏が直訴したのも殖産興国の結果、銅発掘による

鉱毒だった。「真の文明は山を荒らさず川を荒らさず村を破らず

人を殺さざるべし」とその頃から記されている。

太郎ちゃんのデビューが水着一発だっただけに、キレの良さか

脱げるかの危なさがあるのはしょうがない。とにかく67万人の

本気印の支持を得てるのは事実なのだから。


国の中央ではそんなことがあった日、自分はというとほぼ地元の

園遊会じゃなく野山に囲まれた地域で、およばれバンド演奏会に

出席し秋空の下で久々にデカい音でギターを弾いた。

黒塗りの壁やギラギラ照明のライブハウスの興奮に比べ、田舎の

フラワーパークとか云々の文化の日は、都会のバンドにゃ耐えら

れないに違いない。僕らの前のステージがおサルさんだ。例の日光

猿軍団の流れで、子供もお母さんもおばあちゃんも盛り上がり

キャーキャー騒いだ後に、おっさん達のオリジナルなロックが

始まるわけで、さわさわと人の波が引いていくのを目の前にし

演じるっちゅうのは中々根性の要る趣味なわけです。

人のために善かれ人のためならタダでもと、前日からギターアンプ

やらマイクにPA機材にドラムセット一式を搬入し、確認の音だしを

したりしたのに「おおーい演歌はやらんのかーい?ちえっ!」って

こともあるし「ベンチャーズでもいいよ?」と慰められたりしてる中

自分達のオリジナルの曲を相変わらず続けている。

町の観光課から地元特産の果物詰め合わせをもらいながら「また冬に

ステージお願いします」と言われたけど、指が凍るでしょよ?


明くる日は、もう少し近い市の収穫祭ステージにおよばれ。

すっかりアルコール漬けになったような赤ら顔の地元役員の人々に

散々飲まされる。地域の公民館横を舞台におばちゃんダンサーズや

妖しい演歌おばちゃんに、ネタばればれのマジシャンに拍手喝采の

中で我々も40分演じたわけで、思えばこういうのがまさしく

音を楽しむってことなんだろうなと思った。

その後なんでか市長の挨拶なんかもあって、またどこぞで演じてと

誘われたらしいけどどうだか。ま、お祭りバンドだろうがなんだろうが

交流あっての表現だろうし、そうでないともったいない人達がもっと

たくさん埋もれているんだろうに。そう思うようにしていこう。


やはりお土産の野菜をダンボール一杯と新米を頂き、夜は楽天と巨人の

日本シリーズ第七最終戦をホロ酔いで観戦。田中マー君が締めて楽天の

初優勝の日になった。




■ 写真はビデオ画像から 色はフランス国旗なんですが、どうにも演歌であります。


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