1/7の日記 文は田島薫
正月の生活
正月元旦には家人と浦和駅に行き、何年ぶりだ、って映画館で映画を観た。しかもはじめ
ての3D。ティム・バートン監督の人形アニメ「フランケン・ウィニー」。無気味な表情の
愛犬や子供たちがイキイキと愛らしくまさに命を吹き込まれて目前で生きて動きまわって
いた。ま、それがこの正月のメインイベントか。後はニューイヤーコンサートや録画しと
いた音楽番組をオーディオアンプの音で見たり家人とふたりで散歩したり、年末に借りた
10本のDVDで地味に過ごした。土曜日はその返却日なんで、また散歩がてら家人といっし
ょに駅の向こう側のレンタル店へ出かけたんだけど、家から300メートルぐらい歩いて坂
の手前まで来た時に、会員カードを忘れたことに気づいたんで、取りに帰るかどうかちょ
っと迷ってから、ずっと以前に同じように忘れた時に自宅の電話番号を言うだけで借りら
れたことを思い出し、多分大丈夫だろう、ってそのまま2〜30分歩いて現地に着き、10枚
のDVD返しながら、生真面目そうな店員の青年に聞いてみたら、身分証明書がないと、電
話番号言っただけじゃだめだ、って、地元のそのへん出かけるのにカードは忘れたけど、
身分証明書だけは忘れなかった、ってのは考えにくいと思うんだけどね。そんなわけで、
正月のささやかな楽しみを求めてはるばるやって来た粗衣初老のあわれふたりは、未練ぽ
く借りたかったやつの確認だけしてから、並んで肩を落し、手ぶらで帰ることになった。
日曜は、図書館に本を返す日だったんで、午後、佐野洋子の読み残しをやっつけてから、
自転車で出かけ、私用にパウル・クレー本、家人用にはよしもとばななも佐野洋子も未読
のがなかったもんで、金井美恵子、大橋渉のエッセーとマンガ猫村さんなどを借りた。そ
の後、駅の向こうへ行き、前日にチェックしたDVDを5枚借りて来た。
夕方その場運動してから風呂に入り、出てからビール。
夕食後は、ショーチュー飲みながら、借りてきた家人すすめの「ブラックスワン」を観た。
ひとことで言うと(ひとことで言うんじゃないっ)神経症の妄想の力も手伝って清純なキ
ャラクターがしたたかな黒鳥のダンスを完成させる、って話なんだけど、ダンスやその感
情の入れ込み方などにリキが入ってて、アカデミー賞取るのは納得できたような。
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