1/21のねこさん 文は田島薫
マットに乗ったねこさん
きのうの午後レンタルDVD返しに自転車で出かけた途中のねこよこちょう角の家、庭
のテラスの手すりに玄関マットのようなもんがかかってて、その上にシックがいた。
横向きで背中を丸めてじっとしている。自転車止めて、しばらくながめてても、首は
向こう向きなもんで、ちょっちょっ、って舌で合図したら、こっち向いてぼんやりし
た目でこっちをしばらく見てからまた首を体の向きと同じに戻した。
や〜、ごはんもらって食ってからのひとときくつろぐのに、なかなかあったかいとこ
ないんで困っちゃうんだけど、この厚っこい布の上がけっこーい〜んだよな足冷えな
くて。おばさんがかあい〜ぼくのためにかけといてくれんだね。体の方にも、こ〜、
フワっ、ってしたもんでもかけてくれっともっとあったかくていんだけど、ま、そん
なぜーたく言ってると、なまくらねこになっちゃって、きりっ、としたかっくいーぼ
くじゃなくなっちゃうから、これでいいんだ、こ〜、自分の毛をふくらませてじっと
息を止めてれば、んんん、ぷふぁっ、くるしー、も一回、こ〜、毛ふくらまして、じ
っとしてる、ってーと、だれかがぼくに声かけてる感じ、だめですよ、今、こっちに
集中してるとこだから、一応そっち向くけど、クールなぼく。