思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
さすがのシャンせんせいも、うんざりテレビにまいってるようです。
テレビは凶器になる
「ストレスだと思います」
「ストレスですか…」。
「地震ですよ。それも揺れるほうではなくテレビのほう」。
ストレスが影響する持病をもっている。
悪化に不審をもった医師との問答である。
余震のつづくなか、津波の映像を垂れ流すように見せられると思考力が鈍り軽い鬱のよう
な気分になった。これを「疑似被災症候群」と言うのだそうだ。
被災の映像よりもストレスの原因はこちらの方にある。
指針を示さず空虚な言葉を繰り返す菅首相記者会見の中継。
官房長官、東京電力、原子力安全保安院の「三猿」トリオがくりかえす鉄面皮の記者会見。
無計画停電の不手際を謝罪する記者会見で、「申し訳ありません」の言葉までメモを棒読
みする東電副社長。
福島県の双葉町から町ごと避難してきた被災者にむかって、「どちらから?」と聞く不勉
強なレポーター。
避難場所に乗り込みプライバシーを大写しにして「いま、お困りのことは」とワイドショ
ーの乗りで聞くバカレポーター。
安全だと言いたいのか、危険だと言いたいのか、さっぱりわからない無能学者の葉物野菜
と飲料水情報。
CM挿入ソフト変更費用をケチってACのコマーシャルを流しつづける。わが家の挨拶は、
こんにちワン。ありがとウサギになってしまった。
どれひとつとっても腹が立つ。
このような愚かな場面を繰り返し見せるテレビは凶器である。