思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、革命ってものに不安と期待を両立させてるようです。
中東のウィルス
チュニジアに発生した革命のウィルスは、あっというまに中東全体に広がって、旧態に安
住していた政権をひっくり返している。
まさかと思ったエジプトも早々とひっくり返ってしまった。エジプトは安定した国と思っ
ていたが、それは観光客の観る目であって、アメリカ型政治を正義と受け取っていると目
が曇ることが証明された。
中東政治の玄人も、「あそこは大丈夫」といっていたリビアも感染してしまった。リビア
の元首、と思っていたカダフィ大佐は国民の辞任の要求にたいして無責任なことを言った。
「私は革命家であって大統領でもなく首相でもない。よって辞任という言葉はあてはまら
ない」と。では、彼はなにものか。世界中がリビア元首として対応してきたのにその責は
ないという。いっときの情熱でこのような革命家を支持した国民の不幸である。
革命家というものはおおむね統治能力に欠ける。
レーニンも革命後の統治に失敗してスターリンという化け物に乗っ取られた。毛沢東は、
まわりに周恩来をはじめ政治力に長けた人物がいたので一応革命に成功したが、文化大革
命で馬脚をあらわしてしまった。
明治革命もしかり。革命の志士に統治能力がないために旧幕府の官僚にたよった結果、今
日の官僚支配という惨状をまねいてしまった。
近年でいえば、小泉政権と現民主党政権もある種の革命といえる。そのどちらも統治能力
を欠いたところに失敗の原因がある。
その場限りの熱にうかされて政治に混乱をもたらした日本は、部族国家の中東となんら変
わるところがない。現在の無政府状態に近い日本を救うには、理性ある第三の革命を起こ
す必要がある。
中国も北朝鮮もこのウィルス対策にやっきになっている。鈍感な菅政権はどう感じている
のか。日本も国家再生のウィルスに早く感染してほしいものだ。