●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
うまいぐあいに話がまとまる、これがおとぎ話の醍醐味(?)。



おとぎ話シリーズ

3人姉妹

今、NHKの大河ドラマ「江」が好評のようだ。

浅井長政の3人の娘、茶々、初、江の生き様がテーマでそのなかの末っ子、江が主役である。

昔から3人姉妹というとちょっと注目を浴びるようだ。

シェースクピアの「リア王」とかチェーホフの「三人姉妹」とか、小説の題材になるくらい。

女が3人いると、個性が際立ち、女の本性が比べられて興味をそそられるからであろう。

なにを隠そう私も3人姉妹なのである。

昔からよく比べられたものだ。

3という数字は人間関係では微妙な数字、大げさにいえば社会の縮図を表すようなものなの

である。

立場によって微妙に周りの扱いが異なり、年齢差によって権力差が生じる。環境や遺伝子が

三人三様の個性をつくりあげる。そして二人が手を結べば一人が仲間はずれ。

同性なので余計な競争心が生まれる

長女はどうしても年長者としての責任とプライドを持つ。そのぶん、堅実で温厚小心である。

次女はサンドイッチ状態で上と下にはさまれ存在感は薄く、ひがみっぽくってはみだし気味。

末っ子は甘やかされて育つぶん、わがままで芯がなく、そのくせ姉たちや大人の行動をつぶ

さに観察して育つので、要領がいい。

さて年頃になって、三人姉妹は結婚相手を探すべくあるパーティに参加した。

さまざまな男性が姉妹の前に入れ替わり立ち替わり現れ、話したり踊ったりして有意義なひ

とときを過ごすことができた。

そして・・・

長女はイギリスの王子さまを、次女はスペインの王子さまを、三女はドイツの王子さまを選

んだのであった。



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