クボユーシロのページ
2011年2月7日(月) 読書感想−3
夢日記という寝ている時にみた夢を書き留めるのがあるらしいが、金原ひとみの
『AMEBIC』(アミービック)には彼女が錯乱した時にパソコンに書き込み保存
する錯文というのが出てくる。
(錯文の一部)…もっと何かたくあんとかそう胡瓜とかそうそういうのがいいずっ
と歯ごたえが続いて無くならないたくあんとかないのあったらすげー重宝んだけ
ど。てー言ってもよーおめーらまじで何なの何しよーとしてんのどーユー事なの
一体今私一瞬揺れたけどこれ何地震、え違う揺れただけ、私揺れただけ?私自主
的に揺れただけ?どういう事何どうなってんの天変地異。もーあたい何してて何
してて何をしようとしてて何をしなきゃいけなくてしてて何が一番大事な事柄で
何がどんなんなっててって何も知らんしどーしょーもないって。何かおかしいす
ごくおかしいさっき頭痛薬飲んだのにすげー頭痛いし坑鬱剤飲んだのにすげー憂
鬱だしどんなんなってんのどんなんよこれさぁ。つーか私さっきから視点が定ま
らなくて何か視点がぶれんのよ…(原文のまま)
『AMEBIC』は彼女が21歳に発表した小説だが、9割ぐらい彼女本人の日常を書
いていると感じた。主人公の作家の編集担当者(若い男)には婚約者がいるが、自
ら積極的に彼と寝てしまう。彼への想いや婚約者と主人公のやり取り、その中に
たくさんの錯文がいきなり出てきて訳がわからなくなる。
しかし、自分でも深酒して酔っぱらった時(今は飲まないが)は取り止めのない言
葉は出てきた。まぁそれを習慣的にパソコンに保存するって言うのは、さすが作
家だと感心したな。
ちなみに現在、金原ひとみは4歳の女の子がおり二人目の出産準備中、ご主人は
編集者とか。
近所の綾瀬川で大型サギのアオサギ(蒼鷺)をよく見る。アオサギというが実際は
グレーで英名は灰色サギ。日本人て灰色サギを蒼鷺と言ったり、白米を銀シャリ
と言ったり粋だね。