9/5の日記          文は田島薫

親父の救急搬送

軽い脳硬塞との診断で歩きがヨチヨチの親父の食べる食事量がかなり減っていたの

が、先週はさらに食べなくなり、おふくろとの電話で、食べたって時は、みんなで

安心したり一喜一憂してて、食べられた、ってことで安心してた先週の火曜の朝、

飲ましてた野菜ジュースを飲み込めず口から全部吐き出した、って言うんで、病院

搬送をケースワーカーに頼むように言い、急きょ茨城に向ったんだけど、夜、野菜

ジュースをゆっくり飲ましたところちゃんと飲め、大丈夫そうだけど、この際、も

う一回ちゃんと診てもらおうと、翌朝、病院で医者の検診を受けた。受ける前にま

た野菜ジュースを飲ましたら、ちゃんとむせずに飲めた。で、診断は、とくに悪い

ところはない、老化による脳の萎縮があるだけ、って。

じゃ、リハビリがんばろう、って言ったら、親父もそうだな、って。

で、一生懸命それやってたら、けっこう調子いいな、って感じになり、金曜日の夕

食は、それまで人の手を借りて食べてたのが自分でスプーン持って、みそ汁もねぎ

とろ丼も精力的に平らげた(量は健康人の半分以下だけど)。

なんだ、こりゃ大丈夫だ、って思ってたら、翌日はあまり食欲がないようで、野菜

ジュースも少しむせる感じで半分飲んでパス。それでも少しづつ食べ、夕食も前日

のさらに半分ほどは食べ、サッカーなでしこカップゲームを終わりまで観て寝た。

で、日曜日、前日と同じ感じなんだけど、たんのからんだようなせきが頻繁に出る

のが気になり、あー、これはむせた時に水や食べ物がからんだたんが気管のあたり

にひっかかってるせいだろう、と、身をかがめ吐き出すように促した。

のどがイガイガしたせいかもと、オリーブオイルをなめさせたり、そんなことをず

っとやっててもせきは一向に止まらない。

そろそろ夕食、廊下の籐椅子に座らせていたのを食卓に移動させようと、いつもの

ように立たせようとしたんだけど、立ったとたんに眼をむいて絶命状態(?)、お

いお〜い、って胸たたいてたら、うっすら意識が戻った模様。

もう夕食なしで力づくベッドへ運んじゃおうか、っておふくろが言うんだけど、こ

りゃやばいんじゃないか、って、やっと救急車を呼び家人とふたりで同乗した。

病院につき肺炎だと診断を受け、集中治療室に移動。

呼吸レベルが落ちてて停止寸前で危なかったと、肺炎はけっこう軽くはない、と。

強制呼吸機のマスクをつけられ、点滴治療を施されてるのを見て、酸素補充と肺炎

の治療してるよくなるから大丈夫、って親父に声をかけたら、ああ、って返事した。

車のない家人とふたり、家族控え室に特別宿泊させてもらい、翌日の朝、病院の定

期循環バスに乗ってきたおふくろと合流。おやじを見たおふくろ、いつもえばって

たのに、こんな姿が可哀想だ、って泣いた。でも、まだ死んでないんだから泣くの

は早い、って(心で言った、のん気で親不孝な私であった)。




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