思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
今回のシャンせんせい寄席、「カンサンづくし」の一席。



ベクレル、シーベルト、ミリグラム

原発の事故以来、ベクレル、シーベルトという言葉が飛び交っている。

世間では放射線怖さのあまり、この二つの意味を理解しようとするがさっぱりわからない。

それもそのはずこの二つの言葉は別のことを表す単位なのだ。

ベクレルは、放射線物質の持つ放射能の強さをあらわし、シーベルトは、放射線を浴びる

ことにより与えられる影響の度合いを表す。土壌、食物の汚染度はベクレル、その放射線

による影響度はシーベルトということになる。

わかりやすく書くと、菅首相の発する言動がベクレルで、それによって被る国民の迷惑度

がシーベルトと思えばよい。

また、シーベルトは時間単位、年間単位、ミリ、マイクロで表示され、ベクレルは、グラ

ム、キログラム単位で表示されるから、数字だけを見て一喜一憂しても意味がない。

自分の必要とする単位に換算整理して数値を吟味しないと、数字だけに驚いて心配しても、

それは、汚染されたほうれん草を年間10キロも食べた場合だということになりかねない。

マスコミはセンセーショナルな数字が好きなので、その伝える単位を冷静に確かめなけれ

ばならない。人との付き合いもおなじで、伝える言葉(単位)の意味するところを正確に

とらえないと大変なことになる。

と、わかったようなことを書いてきたが、実際に行う換算の作業は半減期など複雑な条件

がからむ計算なのでとてもやる気はしない。


換算といえば、地震の影響でタバコの生産が止まり巷から愛用しているタバコが消えた。

しかたがないので代替え品で我慢をしているが、市場にあるのは同じ銘柄の軽いタバコば

かり。普段はタール6ミリグラムのものを吸っているのだが手に入るのは1ミリグラムの

ものしかない。

この、1ミリというタバコは吸ってもただ煙が通り過ぎるだけですこしも吸った気がしな

い。それではどうするかというと立て続けに2本とか3本吸うことになる。

換算すれば1ミリのタバコを6本吸えば6ミリ一本ということになるのだが、いくら軽い

とはいえ6本も続けて吸えば喉がいがらっぽくなる。逆に12ミリを一本吸えば二本分だ

から少なくて済むかというとこれは強すぎて吸えたものではないので、ただ換算すればよ

いというものでもない。

この計算は放射線被ばく量の計算よりむずかしい。どなたかうまい換算方法を教えてくれ

ないかな〜。

「えっ、タバコやめろって!」 それは原発廃止とおなじくらいむずかしい。


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