●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞いてみよう!

たえちゃん、友だちや大勢の人々の絆を感じたようです。



東京での同窓会3年目

またマメな先輩からお誘いがあり、同級会に行ってきた。今年で3回目である。

今回も早めに東京に入り、上野あたりを見物して回った。上野のアメ横センタービル地下

の食料品売り場は、私の聖地なのだ。そこは日本というよりも、「アジア」。ちょっとし

た海外旅行の雰囲気だ。昔から大好きである。しかし今回は特に買い物をしなかった。

それから上野公園へ行った。小さい頃に来ているのだと思うけど、西郷さんの銅像以外、

あんまり記憶が無い。しょっちゅう東京に来ていたから、特にちゃんと見物するわけでも

なかった。それでちょっと行ってみたくなって行ってみた。

おのぼりさん気分で写真を撮りながら自分のSNSにアップしていったら、先輩の一人から

連絡が入り、ちょっと早めに待ち合わせをしてお茶を飲んだ。「なんか写真を見たら、も

う東京にいるんじゃないかと思って、連絡してみたよ」と言った。便利な世の中になった

ものだと感じることのひとつだ。


同級会には、本当に久しぶりに会う人も来ていた。今回の遠方参加は、名古屋、長野、と、

わたし山形。女性は美しいままだけど、男性はハゲやデブも多い(笑)

ひととおり音楽の話や、近況報告、アイツが連絡取れない、アイツが離婚した、ばったり

アイツ家族と会ったよ、などの後、東北から参加している私に、少し時間をもらった。


あの地震の直後、どんな状況になっていたのかと、9か月経った現状など。厳しい寒さと、

停電、ガソリン、食料不足。それから、パイロットをしている先輩が、仙台空港の状況を

話してくれた。みんな酔っぱらっていたけど、話は真剣に聞いてくれた。

みんな口々に「何かを協力したい」とか「何をすればいいのかわからない」と言っていた。

その気持ちだけでも、充分。ボランティアをするとか、寄付をするとか以外でも良いのだ。

日常で頑張らずにできること。周りに東北の人がいたら、声を掛け合って、仲良くしてほ

しい。そうやって皆で手を繋いで、心を繋いでいくことが大切だと思う。

「やっぱり、東北だったから、あの状況でも皆で助け合っているんだと思った」と言う人

が多かった。


3.11後初めて、山形を出て南に向かった。

福島を通過することは、本当に怖かった。新幹線から見た福島や郡山は、見た目は日常を

取り戻している。しかし、放射能は目に見えないし、変わってしまった生活がいつ戻るの

かは、誰にもわからない。


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