11/7の日記          文は田島薫

晩秋の物思いの日曜日

今年は夏の終わりに茨城の親父の入院騒ぎなどにつきあったりして、さいたまに

戻ってみれば、浦和レッズはJ2落ちの危機を迎えてるは、友人たちとのつき合い

も遠のいたままもう早晩秋で、なんだか淋しい気分。

テレビをつけてみれば、美術番組は正倉院展、おいおい、もっと創造的なアート

を見たいね〜、ってしぶしぶながめてみれば、その染色についてで、けっこう見

入ってしまった。そう言えば、染色物は好きで、正倉院のそれが出てた分厚い平

凡社のやつを昔買い、その図柄を納豆ラベルに応用して好評を得たことを思い出

したし、昔バリへ行った時は同じろうけつ染めであるバティックの美しさにびっ

くりし、滞在中それの店ばかり見てまわったことも思い出した。

で、次にいつもの政治情報番組見ようとしたら、駅伝かなにかやってるもんで、

別なとこ見てたら、若手人気俳優が出てて、年の離れた別の俳優の友人と、酒を

大量に飲んでる、って話してて、そういえば私も昔、飲みに行けばいつも泥酔し

て倒れるまで飲んでたな〜、って思い出した。なんであんなに飲むのが楽しかっ

たのか不思議なぐらいで、誘われればどこへでも大喜びで出かけたもんだったな

〜、と、今やそんな意欲は失せて、行ってもそんなにおもしろくね〜だろ〜、っ

て感じてしまうのだ。若い時は酔いの向こうに素晴らしい世界があるような気が

してたんだけど、今はそんなもんはない、ってわかったのだ。いや、待てよ、や

っぱりほんとうはそれがあるのかもしれない、現に私よりも年上で、まだそれを

信じてる人物も多くいるようだし。

午後は、さてなにをしようか、って、相変わらず弾き続けてるギター抱えながら

思い、そだ、録画しておいたやつ見よう、って、なぜ日本は戦争を始めたか、っ

て5本ぐらいある長いのを見るまねしたら、家人が、見たくないからやめて、っ

て言う、考えたら、同じ問答を過去にすでに何度かやってたから、これじゃ、こ

れは永遠に見れないな、って言うと、観念したらしく、じゃ見て、って許可が出

たんで見始めたんだけど、これがひどく冗漫で退屈。早送りモードで登場人物全

員に早口になってもらったのに全部見終わるのに2時間半かかった。

やれやれ、って生じゃけでシチュー作ってから、その場運動して、家人がやだ、

って言うんで鍋から引き上げたしゃけの皮にしょうゆかけたやつ肴でビール。




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