思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい昨今のキーワードを偶然発見したようです。
偶然
2011年11月11日11時11分、横浜市の気温が11.1度であった、という記
事の見出しに「偶然」の二字があった。
簡単な辞書の説明には、偶然=『予期できないような仕方で物事が起こること』とある。
今年最大の予期せぬことは、東北の地震と津波災害であろう。日本において地震、津波
は予期すべきことだが起こる日時は予知できない。原発事故は予期すべきことをしなか
ったので偶然とはいえない。もちろん未曽有という言葉もあてはまらない。
私事においても親友二人の不幸にくわえて、なんでこの時期にと偶然を呪たくなるほど
ろくでもないことが続いている。
悪しき「偶然」がもう一つある。
危機管理能力をいっさい持たぬ菅内閣のときにこの大惨事が起こった。
平時であればもうすこしましな内閣であったろうに、偶然が内閣の無能さと被害を拡大
してしまった。いま騒がれているTPP問題にしても、今日この問題に遭遇することは
予期できていたが、確とした信念をもたぬ野田内閣がこれにあたることはやはり偶然と
いえる。
偶然も1並びの偶然を楽しむくらいならいいが、人、いや国家の命運を左右しかねない
不幸な「偶然」は願い下げにしたいものだ。