10/3の日記          文は田島薫

のんびり田舎と親父のバケツ

意識の朦朧とした親父の回復に希望を持てないまま、緊急治療病棟から部屋が空き

次第、一般療養病棟に移ることになり、様々な介護用品を用意する必要があり、そ

のひとつに洗濯物を入れる25リットルのふたつきバケツ、ってのがあり、日曜に、

われわれの食料調達のための5キロ先のスーパー行くついでにそういったものを売

ってるそばの店に寄ることにした。

で、朝10時ごろママチャリの荷台に食料運搬用のデルモンテの空箱つけて出発。

スーパーの手前のドラッグストアで何品か買い、そのふたつとなりのいつも金魚の

エサ買ってる店にはバケツはあるに違いない、って安心して行くと、なんと店のシ

ャッターが閉まってるのを初めて見た。

それでも、私は、じゃ、スーパー前の百均にあるかもしんない、って却ってラッキ

ー、ってぐらいの気分だったけど、さすがそんなでかいのはそこにはなかった。

で、そこでそれがありそうな店聞いたら、最初に行こうとしていた店の名を言った。

閉まってたと言い、別にないか聞くと、この先のマツキヨはどうだろ、って言うん

で行ったら、なかった。そこでも他にありそうな店を聞くと、さらに10キロぐら

いの街に“あるかもしんない”って言うんでとりあえずあきらめた。

スーパーで自分らの特売サンマやでかい大根2本他買って、デルモンテの箱に余裕

のままの荷物と買い物未完了の中途な気分を積んだママチャリをこいで帰るいい歳

したオッサンの私であった。

家帰れば、トイレの水の出がわるいのを直してくれ、って頼んでた設置した(親父

がなあなあでつきあってた)タイル業者が私の催促で、10ヶ月ぶりぐらいで来て

くれたのが、けっきょく直らず、部品を探してみる、って話で、またいつになるこ

とやら。方や、池の水の漏水が止まったと思ってたら、水道使ってない時もメータ

ーがゆっくり動いてて、月4000円づつ浪費してることがひと月前にわかり、す

ぐ水道業者を呼んだんだけど、こっちも忙しいってことで、やっときょう初めて工

事やってくれてる。ってように、どうも業者の方のは、震災の影響があるようなん

だけど、いなかはのんびりしてるのだ。




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