11/22の日記          文は田島薫

ぎりぎり生活

衣服や生活機具などの新しいもんを買うことがほとんどない私んとこは日本経済の

発展に全然貢献していないわけで、これはあんまり使える金を持ってないせいも大

きいんだけど、なんでも用が足りればいいじゃねーの、って感じてるせいもある。

きちんとしたよそ行きのスーツや靴も持ってないわけじゃないけど、普段使うもの

の色や形にはけっこううるさいものの、ブランドなんかは無視だし、値段が安いほ

どいい、ってことで、一度買うともー、ここまで使うか〜?って人にびっくりされ

るほどボロになっても使う。

ジーンズなんかも、グランジファッションが流行る何十年も前、ひざのやぶけたや

つはいてたし。って自慢するほどのことでもなくて、私はどういうわけか、ズボン

の左側はなんともないのに、右ひざだけ切れて来るのが早くて、そういうやつがど

んどんたまって来るもんで、捨てるのももったいない、ってぎりぎり、この程度は

いいんじゃないか、ってはいてるうちに、とうとう、グランジファッションとまぎ

れてごまかすことが容易になったのだ。

って思って安心して普段のチノパンはいてたら、家人が、やぶけてる、ってクレー

ム言いだしたんだけど少しがんばってはいてたら、かなり裂け目が大きくなって来

て、もーはくのやめて、って言われるもんで、じゃ、ってそれはいたまま、週末、

近所のスーパーにビール買いに行ったついでに2階の売り場を見てみた。

あったあった、どこのメーカーのかわかんないジーンズが2000円ぐらいで、西友

だとたしか850円で買えるはずなんで少し残念なんだけど、近くに売ってる西友は

ないからしょうがない、ってじっと物色してると、すぐとなりで、売り場のおばさ

んが陳列の整とんしながらこっちを意識してるもよう。こっちは適当にぱっぱ、っ

て買うつもりだったのに、ウエストサイズがみんな80以上、76ぐらいでいい私には

太いけど妥協すっか、って丈見たら、一番長いので73センチ、表示に、詰めは済ま

しておきましたすぐにはけます。で、合わせてみると、どういうわけかツンツルテ

ン、そんなはずはないな、って見直したりしてぐずぐずしてからあきらめ、その場

を離れたんだけど、あのおばさんボロズボンはいてきて、さんざん迷って買わずに

帰った私を見て、2000円が高かったのね、って思ってないだろーな〜。




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