●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃんの血筋、ばあちゃん、いつでも元気いっぱいなんだす。



ばあちゃんの入院

母方の祖母が入院した。足が悪いので、普段はあまりひとりでは出歩かないのだけど、この夏

にひとりで無理してタバコを買いに行って、大腿骨にヒビが入ってしまったのだ。それからず

っと「痛い、痛いけど、もうこの歳だから手術はしない。」と言い張っていたのだが、いよい

よ痛みがひどくなってきたので、手術のために入院した。介護する叔父や叔母は、本当に毎日

大変な思いをしている。


入院したのはいいのだが、どうしてもタバコが吸いたくなり、強引に喫煙所で吸っていたのを

看護婦さんに見つかり、タバコを吸っていたのでは手術に差支えがあるので、いったん退院し、

禁煙してから考えましょう、ということになった。

そして、別の病院の禁煙外来に行って薬を処方してもらい、タバコを吸いたいと思わなくなっ

てから、またもとの病院の外科に再入院した。

私は説教をした。このあたりの状態は、うちの亡きバカ親父と同じである。親父も肺ガンで入

院したというのに、こっそりタバコを吸っていて、医者に大目玉をくらったのだ。

「ばあちゃん、タバコでこんなことになるの、バカ親父と一緒で情けないよ。」と(笑)


プラス、祖母は少々痴呆症なのだ。昔のことは何でも良く覚えているのだが、今のことが理解

しにくい。何度も同じことを聞く。

若い頃は、男勝りで弁が立ち、バリバリと仕事をする人だった。時代が変わり、仕事を辞め、

祖父も先に旅立ってしまい、ひとりの時間が長くなった頃、痴呆が分かった。

しかし、入院していても、同じ病室の人に迷惑なくらい、自分から積極的に話しかけたりして

いるのは、まったく変わりが無い。もともとの性格なのか、長年培った性格なのかは分からな

い(苦笑)


幸い、手術は無事に終わった。翌日朝から普通にご飯を食べている。昔の人には珍しく、小食

で好き嫌いが多い。そして祖母が現在とっても気がかりなのは、いつまで入院していなければ

ならないのか、早く家に帰りたい、ということだ。「リハビリをきちんとして、大体2ヶ月く

らい。」と言っているが、「ふうん。そうか。」と言って違う話をするとまた「いつまで入院

していなきゃならないのかなぁ?」と聞くのだ。

毎日毎日、叔父や叔母が病院に来ていろいろと話をしている。もちろんうちの母も毎日顔を出

している。私も顔を出せる時には、なるべく行くようにしている。個々の生活もあり、正直、

大変だなぁ、と感じる時もあるが、みんなでこうやって祖母を囲んでいられることも、また幸

せなことなのだと思う。


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