11/15の日記          文は田島薫

人とのコミュニケーション

家人も私もふたりして年中家ん中にいて、ゴミ捨てと、食料の買い出しと、図書館

以外はほとんど外へ出ないもんで、ほんとは人間好きの家人なんかは、自分のゴミ

出し当番の朝、近所の人のだれかと会えてちょっとした挨拶やら言葉を交わせると、

嬉しそうに帰って来るし、だれとも会えなかった時はがっかりして帰って来る、っ

てほど、人とのコミュニケーションへの渇望があるようだ。

そういう私も、事務所が都内にあって通ってるころは近所の人と会って挨拶するの

を煩わしく感じて、出かける前にちょっと道路をうかがって、だれかが立ち話など

してたら、いなくなるまで待ってから出たりしたもんだったのに、事務所を自宅の

傍(?)に移してからは、なんだか少し人との関わりがうれしく感じられるように

なり、今や、わざわざ近寄ってって声かけるのも楽しめるぐらいになった。

で、日曜の午後も、ブランチの後、ギター弾いたり新聞や本読んだりして、少し飽

きたんで、なんか身体動かしてやることないかな、って考え、そだ、犬の散歩者へ、

メッセージボード書こう、って、すでにそう思って2日ほど前に切ってあった段ボ

ールにマジックで、「わが家の雑草園で気持ちよく犬にうんこさせてもいいけど、

踏んじゃう被害者が出てるもんで、うんこは持ち帰って欲しい」って趣旨のお願い

を書いて外出て、道路側にあるスチール物置にそれを貼った。で、見回すと、また

新たなうんこを発見したもんで、小枝ではさみ山桃の根元のうんこ山に運んでから、

他にないか地雷探しをしてたら、奥の家の主人が出て来て、何してるか聞かれたも

んで、答えた。すると、彼は、前の舗装道路に流れ出る犬の小便に閉口してる、っ

て、新たな苦情を知らせてくれた、見ると私の家の前の側溝のあたりから道路の縁

を二筋のかなりのスペースの液体の跡があった。で、貼った段ボールメッセージボ

ードに、吹き出しで、「しっこも道路に出ないように」を追加した。

や〜、文で外とのコミュニケーションをしようとして、思わず隣人と生のコミュニ

ケーションもでき、ラッキーだった(大げさだけど)。




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