サニーイズム             文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
今回のサニーは欲張って自然の中の気配を、文字と写真で再現してます。



渡 良 瀬 草 原

先日、連休中のあったかさがまるで嘘のように谷川岳に雪が

降った。中腹の天神平スキー場が積雪15cm にもなり

ブッシュが目立つ中、脚をとられながらも がんばるスノー

ボーダーがテレビに映り出されていた。

政界では鳩山さんも脚をとられながらにっちもさっちも

こっちもあっちもで気の毒な人相になってきちゃってるし。

誰がやっても大変なみんなの問題なんだから、党派を越えて

あせらず考えなきゃならない時なんだろうになあ・・・・。

と、静観するしかないここんとこ、やっと冷たい風が弱く

なったので先日の続きの野鳥の録音に出かけてみた。

ドリンク買ってキャップ被って椅子も持って、忘れちゃ

いけない外部マイクロフォンに防風圧スクリーンもだ。

下見ついでに何度か走ってる場所なので今回は事がはやい。

三脚を出しレコーダーをセット、アームの先のマイクを

ゆるりグルリと廻すと、入ってくる入ってくる鳥の声。

ヘッドフォンで聴きながら録音感度をじんわりと上げると

予想以上にたくさんの音が響きだすのに驚く。
           
あっちこっちでギャーギャー クエッ クエッ   

ピーヒャラ ピーヒャラ  コーッ  コーッ 

水辺から何かの音が響いたり、草が風でなびいたり

たくさんのいろんな種類の生き物に囲まれてしまって

なんだか誰一人いなくて怖いくらいになるんだ。

なんでなのかな・・・・と椅子に深く座って思ってたら

たぶん数日前に読んだ宮沢賢治のクラムボン「やまなし」

のせいかも知れないと思ったりしたが、 とにかく静かに

息をころしヘッドフォン越しに録音を聴いているだけで

ココロん中がザワザワとなる。

自分以外のたくさんの生命の多さに圧倒されるのは、鳥類

だけでもここ渡良瀬遊水地には230種もいるんだそうだ。       







■ほら 水ん中からも木の上からも静かに観られているようでしょよ・・・





■まもなく陽が落ちる渡良瀬遊水地の奥には赤城の連山が見える。


戻る