●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
今回のもどきさん、運動は万能ではない、ってわかったようです。



シリーズ あんな話こんな話

マーフィーの法則

マーフィーの法則は日々の人生経験に基づいた所見である。

例えば、「結果の伴わない行為はない。何かをすれば必ず結果がついてまわる」とか

「問題が発生する可能性があるならば、それは必ず発生する」などというものは最近

私が体験したことを裏付けるものだった。

話はこうである。

私は老化は足からくるといわれているので、一念発起して毎日運動することにした。

1日目は朝と夜にスクワットを30回、3000歩を歩いた。2日目、腹筋運動を加

えてもっと多めに歩いた。3日目は足腰の筋トレのほかに5000歩近く歩いた。

そして4日目、私は喉の痛みと咳で目を覚ました。風邪を引いたのであった。

なんてこった!熱を測ると38度。ぐったりした体を横たえて私はつらつら考えた。

老化を防ぐために運動がよいのは自明の理。運動して筋力を鍛えれば、必ず腰痛も膝

痛も緩和され、体力もつき老化を遅らせるというすばらしい結果がついてまわると信

じた。

マーフィーの法則の前者である。

しかし、私はいつもの春先の体調不良の時期にあった。季節の変わり目気温の大きな

変化、四月から始まる行事。ちょうど問題が発生する可能性がある環境だった。そし

て必然的に病気になった。

マーフィーの法則の後者である。

ここから私の論理は飛躍する。運動をしたのは間違いだった。トレーニングをして病

気になるならそんなことはもうしない。さらに私の論理は飛躍する。病気になるくら

いなら死んだほうがましだ!



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