●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃん、も〜お酒を飲まない!ですむのかど〜なのか。



それから、ちょうど一週間後

「もうお酒は飲みません宣言」をした数日後、友達から「飲みに行こうよ〜!」のメールが2

件も来た。

「食事など、何かの節制をする時には、神様がちょっとした試練を与えることがありますよ。

皆さん、頑張ってくださいね。」と食養生の先生がおっしゃっていたが、まさにその通りにな

っているのだ。私はメールを見ながら「ガォー!」と叫んだ。

私は友達と遊ぶのが大好きだ。そして2件のお誘いとも、私が人生の中で、最も大切にしてい

る友達からなのだ。

1件目の友達は、高校の時からの付き合いで、去年離婚をし、2人の子供を育てるシングルマザ

ーで、仕事を3つも掛け持ちして頑張っている女性だ。その人が、やっと気持ちと生活に少し

余裕が出来て、付き合いの良い私を誘って来たに違いないのだ。彼女が結婚している時は、飲

みに出掛けたことなど、ほとんど無いもの。そんな頑張り屋の彼女の前で「禁酒してます。」

などと言ってスマシタ顔でいられない。

子供が寝るまでには帰らなければならない彼女と夕方早めに待ち合わせて、最初はファストフ

ード店でおしゃべりした。離婚その後の細かい話などせず「今の仕事、面白いんだよね!」と

いう話しかしなかった。

それから、彼女の知り合いのスナックへ行った。ついに目の前にビールが出された。「神様の

バカヤロー!」と思いながら、ひとくちいただいた。あぁそうだ、ビールの味を忘れていなか

った。お酒の味って、こんな感じだった、とまたたく間に思い出した。(一週間のご無沙汰で

す)それから、ちびちび飲んでいた。

「あれー?飲みが足りないんじゃないのー?」と言われたので、こないだひどい二日酔いでさ

ー、という話をした。そうしたら、笑顔の可愛い、元ミュージシャンのマスターがウィスキー

のウーロン茶割りを出してくれた。まーそれもちびりちびりとやっていた。私はシラフだった

けど、けっこう楽しい時間が過ぎた。そして、家に帰らなければならない彼女と、再会の誓い

をして、バイバイした。


そしてその日の私には、次の予定があった。いつものメンバーとのミーティングだ。主婦だっ

たり、経営者だったり、新しいキャリアを築いていたりしている彼女らも、忙しい毎日を送っ

ていて、全員が顔をそろえるのは久しぶりだった。彼女らは居酒屋にいたというので「飲んで

るの?」と聞いたら「ウーロン茶ばっかり飲んでるけどさ、そんでもすごく大笑いしててさ、

楽しいよ!」と言っていたので、妙に納得した。


お酒は人間関係の潤滑油になるのかもしれないが、人間関係が既に潤っている場合は、お酒が

無くとも、スムーズなのかもしれない。


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