1/25の日記          文は田島薫

パソコンの奇跡と哲学者

修理頼んでおいたG4が直らないで戻ったって知らせが来てたんで、先週は最寄り駅

から5つ目の駅にあるビックカメラへ行き、預けていた内金5,000円返してもらい、

宅配を頼んでおいたのが届き、続けてネット注文しておいた中古のG4も届いた。

買ったG4つなぐと、こわれた方のより新しいタイプなのに、いきなりフリーズした

のが気にかかったけど、まあ無事起動できたってことで終了し、翌日の金曜にじっ

くり再調整しようとしたら、やっぱりフリーズして、リセットボタン不能、パワー

ボタンで切って再起動しようとしたら、反応しない、いったんプラグを抜いて30分

ぐらいしてパワーボタン押すと起動することがわかったんだけど、しばらくすると

またフリーズで、そんなことくり返しててもしょうがないんで、ネットショップへ

メールしたら送り返してくれ、って言うんでそうした。

翌土曜日、友人の会社からホームページのちょっとした情報追加依頼のファックス

が入ってたんで、事務所行き、こわれて戻って来てたG4つなぎ、試しに、これまた

ネットショップで注文し当日届いた、接点復活剤を、反応しなくなったUSBの差し

込みにひと吹きし、つないで起動してみると、なんと、今後永遠に動かないだろう

と覚悟してたマウスのカーソルが動くではないか。

すっかり、気分のいい日になり、翌日の日曜も気分よく図書館で借りた中島さんっ

ていう哲学者の本を読んでると、私がもっとも偉大な小説家だと感じてるドストエ

フスキーについて、作品の登場人物たちがみな、自分の半径1キロメートルぐらい

を世界のすべてだと信じて、走り回ったり、かんしゃく起こしたり、顔面蒼白で卒

倒したり、人の膝に顔うずめて大泣きしたりの大騒ぎしてて、作家ともども実に頭

がわるい、って言い切ってるもんで、思わず大笑いしてしまった。

それをそのまま全面支持して、これからはドストエフスキーをバカにしよー、など

とは全く思わないし、私からの作家の評価は変わらないんだけど、中島さんの言っ

てることも一理あるなと感じてしまったのだ。ドストエフスキーの小説はシリアス

の究極のように見られがちだけど、膨大な事実資料に基づき様々なタイプの人間の

本質を追求してそれをけっこうドタバタコメディのように表現してる面がある。で

もだから作家も頭がわるい、ってのは言い過ぎのはずだ。

しかし、哲学者は、なんでも自分の主観で考え抜いてその仮説をふりまわして、言

いたい放題言ってればいいようだから、老後の趣味として、哲学はよさそうだ。




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