1/18の日記          文は田島薫

新しいこたつぶとんカバー

わが家のこたつぶとんカバーは、毎年洗濯してるものの、24年も使い続けたもので、

何度も何度もこぼされた味噌汁やら煮汁やらビールやらで、ブルーグレー地の布に、

白っぽい大きなシミがあちこちについてて、おまけに、弱くなった部分が少し破れて

きたりもしてて、きれい好きの家人が連日、汚い汚い、って言うのもあり、先週は思

いきって(それほどのもんか)、西の方にある第2か第3にあたる最寄り駅のそばの

大型家具チェーン店のビルへ自転車で出かけた。

テレビなんかでもばんばん宣伝してるその店は広々としたビルのフロアに実用本意に

膨大な商品を並べてるんだけど、それを見てる客がほとんどなく、ひっそりとしてて、

店員の数も少なく表情もこころなしか暗い。こたつぶとん用のがなかったんで、代用

にふつうのかけぶとんカバーのダブルサイズの2千円程度のとこたつの下に引くマッ

トの代用の千何百円の毛布、やっとの客の買い物がこの程度じゃ、やっぱりこの業界

もきびしそうだな〜、ってなどと同情しつつ買った。

勤めから帰った家人に買ったもんを見せると、少しおっくうそうにミシンの用意をし

てカバーのサイズの一方を縮めてくれたけど、毛布の方は不用だった、と言った。

やっぱり、きれいな方が気持ちはいいもんで、土日は新しいふとんカバーのこたつで、

ぬくぬくと図書館で借りた本の読書をしたり図書館で借りたビデオを見たりした(や

っぱり金を使わないで休日を過ごす不況の中の人々)。

夜は新しいふとんカバーのこたつでこぼさないように気をつけながらビールとショー

チューを飲み、やがて、うとうとと、新しいカバーのこたつぶとんにもぐって気持ち

よくひとときのごろ寝。

なわけで、安くてとてもいい買い物をしたのだった(そうでもない。…家人談)。




戻る