●連載
虚言・実言 文は一葉もどき
横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
フェイスウォッチングの楽しみ(?)
顔つきの妙
鳩山由紀夫氏の顔つきが変わった、ともっぱらのうわさ雀の評判だ。
以前は、ちょっと坊ちゃん的な気弱な表情を見せることがあったし、オフのときのド
派手な服装に奇異な印象を受けたりして、その落差に危うさを感じた。あの爬虫類的
びっくり目といい、安定感のない体形といい、宇宙人というあだ名は言い得て妙。
それが衆院選挙運動が始まり、民主優勢が確実になった頃から少しずつ顔つきが変わ
ってきた。今では精悍で貫禄もついて立派な首相顔になったような気がする。
これは人間の内面の変化と周囲の注目度の相乗効果であろう。
社民党の福島瑞穂氏も口をとんがらせて辛口の批判をするとこなんか女学生っぽい雰
囲気があったが、入閣してちょっぴり土井たか子氏のようにオジサン顔になってしま
った。
それにしても今回初当選した小沢チルドレンの顔つきの初々しいこと! 願わくば自
民党の古参議員のようなすれっからしの政治家顔にはなって欲しくないものだ。
外国ではヒラリー・クリントン氏も顔つきが変わった例であろう。
クリントン首相夫人のときはちょっと高慢ちきなとっつきにくい面があったが、それ
がどうだろう。大統領選でオバマ氏と長い選挙戦を展開した間にすっかり角がとれて、
すっかり穏やかな深みのある顔になったような気がする。
こうしてみると、人は置かれた立場で成長し自覚が生まれ、それにつれて周囲の見る
目も変化する、ということだ。
親からもらった顔に表情をつけていくのは自分自身。心して生きよう。昔から自分の
顔に責任をもて、と言うではないか。