9/7の日記          文は田島薫

マティスの

退院後のおふくろは、元気なんだけど、気だけが先行してるようで、身体の方

はさすがに万全ではないため毎日食事や運動のリハビリのような生活をしてる

もんで、食事の用意や買い物などを私と家人がサポートしてるわけで、もう大

丈夫そうだから後は自分たちでやってよね、って言ってさいたま市へ帰れるの

は早くても来週になりそうだ(遅いとどーなるんだ、おいおい)。


ま、特に緊急の仕事もないわけで(緊急じゃない仕事もないんだけど)、急い

で帰らなくちゃ困るってこともなく、のんびりしてるような、雑用に追われれ

てるような、中途半端な生活をやってて、でも、ま、考えてみれば、さいたま

市での生活とそれほど違いがあるわけでもなく、違いといえば、ギター弾いた

り読書したり酒飲んだりする時間が減ったのと、さいたま市の事務所のブライ

ンド越しに見えるのは1本のやまももの木だけなのにくらべ、座卓に向いた座

椅子と畳であぐらかいてるわきの廊下から見える庭は、金魚のいる手作りひょ

うたん池と手入れの少ない大小色んな植物たちがいっぱい見えることだ。


私はもともと民家の日本庭園のようなものにはあまり興味なかったし、毎年の

べ2日ぐらいしか来てない時は、なんだか暑苦しい庭だな〜、趣味じゃないし、

ま、救いといえば、廊下わきの1メートル近くにも伸びきったサボテンやこれ

また国籍不明の一枚がやっぱり1メートル近く伸びた葉の植物がのたくってた

り、木々の枝なんかを丸い形に切りそろえたりの手入れがされてない自然さが

許せる、っていったことだけだったんだけど、あまりの乱雑さを見かねた、う

らの今山さん(仮名)の奥さんが草取りを買って出てくれた上に、自分の趣味

の色合いのいい植物の鉢を色どりよく追加したりしてくれたおかげもあり、こ

の頃では、なんだかマティスの絵を連想させるようななかなかおもしろい形と

色合いだな〜、って植物たちの調和を楽しめるようになったのだった。


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