思いつくまま、気の向くまま
  文と写真は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいの「ぼけのたわごと」、タイトル変えました。
シャン先生、不況対策に、とりあえずひとつ手を打ったようです。


よくふかさま 

 

「祭りと縁日は混まなきゃつまらない」なんてうそぶいていたのは遠い昔となってしまった。今

年は二の酉までしかないので混むだろうとまだ明るいうちに出かけた。もっともその後に寄る酒

場の開店時間に合わせたことも確かだが。いずれにしても数年前までは考えられないことだ。


神社の境内をうめつくす縁起物の熊手を売る店は、どこも「売れないねぇ〜」と嘆いている。社

務所にある、ひとつ千円の「かっこめ」とよばれる招福の御守りは例年並みの売れ行きだが、今

年は二千円、三千円という高い御守りを買ってゆく中年がめだつ。いよいよ神頼みしかなくなっ

たか。

この「かっこめ」という小さな熊手は、福を掻き込むご利益があるのでそう言われる。

落語のなかにお酉さまのことを「よくふかさま」とよぶ言葉がでてくる。落語というものはその

時代の世相をわりあい正確に語っているので、そうよばれた時代があったのだろう。その意味合

いは、「てめぇは何もしないで熊手で福をかっこもうたぁ太ぇ了見だ」ということになる。


ここ数日、円は独歩高、それにつられて株価も急降下。28日は、ドバイショックのあおりでダ

ウも大幅な下げとなった。

民主党の昔の名前で出ている財務大臣が経済対策にもたもたしているので世界中の投機家(「よ

くふかさま」)が円に群がっている。なにしろ彼らは「かっこめ」を100も200も持ってい

るのでかなわない。と、いいながら千円の「かっこめ」ひとつでわが家にお宝を掻き込もうとい

うのだから、こちらも相当な「よくふかさま」といえる。



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