11/24の日記          文は田島薫

ガンバリマンの来訪

先週は、以前よく仕事出してくれてたのがここ数年ほとんどそれがなくなった印刷会社か

ら1年ぶりぐらいに仕事の依頼があり、不景気な昨今の中来る仕事は予算も時間も少ない、

ってわけで、突然この3連休の何時間かは、仕事をやらなくちゃいけないはめになったん

だけど、初日の土曜は、そんなこと知らなかった先月、話しに行きたいから都合はどうか

と聞かれてりょうかいしておいたいとこが来たもんで仕事はしなかった。


彼は私と同じ市内に住み地元の市役所の土木課に勤めてたんだけど今年定年で嘱託扱いに

なり、時間的余裕もできたせいもあってか、是非とも会って、の理由があるような口調の

電話があったのだ。

以前も数年に1度ぐらいはそんなふうにやって来ることがあったっんだけどその日もママ

チャリに大荷物持って約束の午後2時ぴったりにやって来た。

私も家人をきちんと紹介したことなかったんで、それも彼の今回の来訪のひとつの理由だ

ったようで、紹介し、ビールで乾杯すると早速、市内周辺の地図やら、自分の家や兄弟の

家の住所電話番号を書いたメモを家人に渡し、家人の連れである私にもしものことがあっ

た時の連絡用に、だって(もしものこと、ってなんだ?、ありがたいようなさびしーよう

な)。で、7時半ごろに帰る時には、すごくいいでしょ、って言いながらデパートで一生

懸命探したと見えるお目出たい絵のついた茶わんをふたつ(なかなかいい、とは応えたも

のの、ありがたいようなとほーにくれるような)と、ようかんや煎餅の大きな包みもくれ

たし、でとても気配りのある男なのだ。


彼は大学卒業後すぐにその仕事につきそれから20年間は連日何時間もの残業をこなしなが

ら自分と女房両方の病気の両親の面倒を看つづけながら子供ふたりを育てたらしい。

役場でも仕事ひとすじ、いい仕事をすることだけ考え、職場のつき合いは断り、毎日勉強

を続け、公私ともに非常に辛い時期もあったけど、それなりの業績を上げ、出世といった

ことからは外れたけども満足していると、語った。

そんな話を聞くと、民間にくらべ公務員の給料がいい、なんてことばかり言ってる私でも、

えらい人はえらいもんだ、ってこころから感心できるわけで、で、そうすると、彼もうれ

しいはずで話に熱がこもり、彼もなかなか帰るタイミングを計れなくなっちゃったりして、

ふだんだらしなく寝転がって過ごしてる私は、真面目にがんばった人の話に感心しながら

も、やっぱり少し疲れと眠気も感じたのはしょーがないところだった。


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