思いつくまま、気の向くまま 文と写真は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいの「ぼけのたわごと」、タイトル変えました。
シャン先生、今の学生の意外な良識に感心してるようです。
鎖国
隣の大学の学園祭にいってみると、「鎖国」というテーマの研究発表に出会った。
大きく鎖国と書かれた字のわきに ― 今、日本が鎖国をしたら?― と、サブタイトルが付いて
いる。日米関係が怪しくなってきた今、鎖国みたいなことをやっていると大変なことになる。
というようなテーマかと思っていたら違っていた。
曰く、今、日本が鎖国をするとODAやNGO、NPOの援助がとぎれてしまい低開発国の貧困対
策、教育対策に大きな支障が生じると。
その論旨は、今、日本が鎖国をするとこれらの活動ができなくなり、現地の人が困るというこ
とだ。また、日本は低開発国の協力なしでは成り立たないとも言っている。
これらの研究は、「貰うばかりではいけません。他国への協力なしには貰う物も貰えない」と
言っている。そこには単純な互恵主義とも違う自分たちだけが良ければという旧来の一国主義
の否定があるが、その反面、日本が世界から孤立すると自分たちの繁栄の謳歌はどうなるのだ
ろうという怯えも感じる。しかし、考え方は極端にいえば、「欲しいものは分捕ってくる」と
いう高度成長期を過ごしたわれわれよりは進歩しているのだろう。
鎖国というとなにやら仰々しいものを想像するが、このような切り口で鎖国をとらえる彼らの
センスはグローバル化されている。その中で、繁栄と奉仕という現実を上手に使い分けるとい
うのが今の学生気質かもしれない。
昨年にくらべ研究発表が半減し食べ物屋が増えたのも、学園祭は楽しむもの、勉強は別物と、
ちゃっかりと使い分けているからだろうか。