5/11のねこさん 文は田島薫
うっしーベランダに来る
3ブロックぐらい遠くに住んでるホルスタイン柄のうっしーが先日家に来て奥の家のフェ
ンスの土台で足を踏み外しながら慌ててた話したんだけど、こりずにまた来た。
土曜の昼前、ブランチを終えた2階の居間でさて歯でもみがくか、って立ち上がったら、
ベランダの開いた戸口にひょいと前足乗っけようとして、こっちと目が合い、くるっと、
向こうに向き直って外階段を降りて行くうっしーが見えた。
ねこさん、これまでも、2、3、ベランダまで上がって来たのがいるけど、大体、外階段
上がりきったところで、居間の人間と目が合っちゃって、フリーズしちゃうパターンば
かりだったのに、うっしー、一応私と同居人の顔見知(?)になったとはいえ、家ん中
まで入ろうとするとは中々太い神経だ。
お、ねこさん来た、って同居人に言うと、どこどこ、って出て来たんで、ふたりでベラ
ンダ出て階段の方見たけどもう姿が見えない。道路側の方の手すりに回って見下ろすと、
ちょうどうっしーが階段の方からユーターンして歩いて来て頭を出したところだった。
お、いたいた、って言うと、気がついたうっしー、こっちを見上げ、ってじっとしてる。
よ〜、ってふたりで手ふったりしてると、お、なんだなんだ、ぼくは人気もんなんだろ
うか?ここでは、などと戸惑ってる風だったけど、いやいや、ここは三味線やかもしん
ない、って疑念が浮かんだらしく、突然小走りに逃げて行った。
近くで見ると思ったよりも薄汚れてて、それなのに首輪をされてて、のらねこなのか飼
いねこなのか判断に迷うような久々にいい味出したキャラクターだった。