思いつくまま、気の向くまま
  文と写真は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいの「ぼけのたわごと」、タイトル変えました。
今回のシャンさん、連休はオーストリアへ出かけたと言い張っております。



マグカップふたたび



レストランもろくに開いていないというのでメキシコ行きはやめにして、新型ウイルスはス

ペイン語と英語以外は苦手のようなので他の言語圏をさがした。


ここ、ハイリゲンシュタットの森はウイーン市街から市電で25分ほどの所にある。

ベートーベンの「ハイリゲンシュタットの遺書」で有名だが、一般にはハイリゲンシュタッ

トの森といえば同じベートーベンの6番「田園」のモチーフとして知られている。

2楽章「小川のほとりの風景」の冒頭にある小川のせせらぎの旋律のヒントになった小川に

は保存のため柵がほどこされ川底には石が敷き詰められているが、小径はベートーベンが散

歩をした当時そのままにBeethovengangとして残されている。

ベートーベン自筆の総譜に「田園交響曲、または田園生活の回想(絵よりも鮮やかな印象)」

と書かれているように、すでに耳が聞こえなくなっていたベートーベンは生の音ではなく目

に見えたものから模写ではない音を創りだしたのだろう。

ベートーベンは、「単なる描写より感情の表現」といっている。


急なことなので音楽会に行かれなかったのが残念だったがベートーベンにならって目の当た

りの景色を見ながらウィーンフィルの演奏する「田園」の旋律を頭の中で追った。

街にもどりぶらぶら歩きをしていると、とある店先にあるではありませんか。

あのウィーンフィルの紋章の付いたマグカップが。

1月に割ってしまったものと形は違うが本物のボーンチャイナで薄手に出来ているのでスプ

ーンが触れると風鈴のように澄んだいい音がする。

さっそく買い求めると、価 ¥2500。

えっ、「オーストリアはユーロじゃないの?」とおっしゃいますか。

時差ボケですよ、時差ボケ。


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