3/2のしゅちょう             文は田島薫

(金持の力について)

先週、貧乏の力って書いてけっこう反響よかったようなんだけど、どうも少し自分の

立場を正当化する聞いた風な意見だ、って感想も当然あるだろうと思うんで、今週は

だれに言ってるのかその有効性に疑問もあるんだけど、あえて、あたりまえだ、って

考えてしまう、金持について本当にいいところを考えてみた。

適度な貧乏の方が一般的に金持より幸福そうに見える、ってことは本当の感想なんだ

けど、実際は金持になったことのない私の想像なんで、金持自身は、金持が幸福に決

まってる、って言うかも知れないけど、それでも勝手に意見を言わせていただく。

で、私が思うにも、やっぱり幸福な金持はいるはずで、それは、多分、金を自分のた

めよりも、何か他の目的のために使ってる人じゃないかと。

だって、自分のために、ただ自分が欲しいものを買う、といったことだけに使い、そ

れを所有してるだけだったら、それを使ったり食べたりしても、やっぱり飽きてしま

うだろうし、人に見せびらかしても、けっきょく、最初だけは、すごいね〜、って思

われても、2度目はあまり感心もされないだろうから。

ロックミュージシャンで一番の金持であるB'zの松本さんは、金持になってよかった

ことについて、自分の音楽作りに、納得行くまでふんだんに時間と金を使えることだ、

って、楽器はなんでも買えるし、スタジオやスタッフを長時間使うこともできるから、

って言ってたけど、それならわかる。

金を持ってなくてはできなかったことが自由にできて、それが自分の表現創造のため

に役立ってる、ってわけなのだ。

そういったことでは、もし、人の役に立ちたい、って考えた金持がいたら、病院なり

学校なり、孤児院なりを自由に作ることもできるわけで、こんなことはいくらやりた

いと思っても、自分の生活がやっとの貧乏人には難しいことなのだから。

で、よく考えたら本当の金持はたいていどっかで、社会的な貢献してるもんなわけで

私が言わなくても、適度な貧乏人のしみじみとした幸せとは違った形のダイナミック

な幸せがあるわけで、けっきょくあんまり幸福でない金持ってものは、人に役立つよ

うなことをなにも持たない小金持だからかも。




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