思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいの「ぼけのたわごと」、タイトル変えました。
本質を見抜くシャンさん、わが国の政界を幼稚園に見立ててます。。



黒のクレヨン

新聞流にいうと政治、経済、社会面すべて真っ黒である。明るい話はひとつもない。

子供のころ、アメリカの文化宣伝のために発行されていたリーダースダイジェストで読ん

だ話を思い出す。


幼稚園で一人の子共にどんな絵を描かせても黒一色で描く。

これは精神に欠陥があるのではないかと、精神科医も動員して調べたがわからない。

そこで一人の保母がシンプルな質問をした。

「どうして黒しか使わないの」。

その子供は貧しくて黒のクレヨンしか持っていなかった。

この話は、笑い話として書かれていたと思うのだが、いま思い返すとなかなか含蓄に富む

話だ。


この寓話は、現在の日本の状況に符合するのではないか。

自民党政権に不満を持っていても、いざ選挙となると、旧態に固執する自民党支持という

黒のクレヨンで絵を描いてしまう。

自党の在り方に疑問を持っていても採決となると、他の選択肢を行使しないという黒のク

レヨンで絵を描く。

財界も他の選択肢にチャレンジしないで、安易に派遣社員による利益の追求という黒のク

レヨンでしか絵を描かない。

この三点に共通していることは、いろんな色が目に見え、頭に浮かんでいるのに、いざ絵

を描くときに黒のクレヨンしか使わないことだ。


先の話と違うところは、三者三様にいろんな色のクレヨンを持っているのに、それを使わ

ずに黒のクレヨンで絵を描いてしまうところにある。その原因を冷静に考えないで、いつ

までも、麻生が悪い、小澤が悪い、御手洗が悪いと見当違いの論争をしていては、日本は

ダメになってしまいます。


そろそろ、やさしい保母さんがでてきて「どうして黒しか使わないの」と聞いてくれない

かなぁ〜。


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