7/21のねこさん 文は田島薫
落ち着く場所
けっこー前なんだけど、あるねこさん見た時の話をしようと思うんだけど、けっこー前の
話だったら、そのけっこー前のそん時になんで書かなかったんだ、って言えば、たいして
おもしろい話でもないと思ったもんだからだ(なんだい、じゃ、読まないどこー)。
で、めっきり読者の数が減ったところで、期待しない物好きのあなたのために、安心して
話を続けちゃおう。
いつも自転車で食料の買い出しに行く途中のねこよこちょうに、めったに入ったことない
袋小路のような脇道があって、以前そこ入ったらそこにあったアパートの前が小さな大自
然だった、ってこと書いたことあんだけど、その手前は垣根のある普通の民家で、そこへ
中肉中背のミケが入って行くのが見えた。そばまで行き垣根の中をのぞいてみたら、そこ
は住宅の裏手で垣根と建物との間が50センチ足らずで、なにやらごちゃごちゃゴミのよう
なものが立て掛けてあったりしてるとこに、エアコンの室外機があり、その上にねこさん
乗ってくつろいでる。
垣根の外は木々の繁った小さな大自然だっていうのに、なんだかちらかってて、しかもせ
まっくるしいとこにわざわざ座っちゃって、よく落ち着いてられるもんだ、って、きれい
好きな私は(それほどでもないだろっ)感じるんだけど、落ち着く場所ってのはひとそれ
ぞれねこそれぞれなんだろう。
いや〜、ぼくは、ここの場所がいっちゃん好きなんだよな〜、このてきとーにちらかって
て、せまっくるしい感じが、ぼくだけの個室っていうかさ。しかし、さっきからこっち見
てるあの人何考えてんだろ、だめだよ〜うらやましがっちゃ。