1/26の日記 文は田島薫
国民的画家と国技的力士
朝のテレビ番組でグルジアの画家ピロスマニを紹介してて、私は初めて聞く名のよ
うな気がしたんだけど、日本人やグルジア人のゲストが出て絶賛してて、グルジア
ではだれでも知ってる国民的画家だそうで、町中で彼の絵が見られる、ってことだ
った。
絵はどっかで見てた記憶もあり、知ってる人が多いのかも知れないな、と思ったん
だけど、シンプルで力強いタッチのなかなかのもんで、素朴派と言っていいような
ヘタウマ的なもんなんで、当時はあまり重要視されてなかったのか、人々は気軽に
看板絵のようなものを1杯のワインぐらいで頼んだりしてたらしく、生涯極貧のう
ちに身体を弱らせてのたれ死にのような最後だったようだ。
ま、芸術ってもんの価値を一般の人々に正当に評価しろ、って求めても、専門家で
さえ、その本質的価値を見極める力を持ってる者はわずかで、それを持ってるもの
が金も同時に持ってる確率と言ったら限りなく低いわけだから、無理なことだろう
けど、それにしても、今国民的画家ってもてはやすぐらいなら、もうちょっとは、
ましな料金を払ってやれなかったもんか、って思うんだけど、これは古今東西、芸
術家のかかえる悩みで、そこんところを救う眼力ある画商やマネージャーといった
者の芸術家や芸術文化への貢献力はどんなに大きなもんだろう。
私のねこ絵にもそういった援助が来ないもんか、って(それは話が違う)。
午後は読み残してた新聞と図書館で借りて来てた河合隼雄の本を読んだりしてるだ
けで終わり、その場運動やって風呂入って、出たらちょうど相撲の千秋楽、朝青龍
と白鵬の対決、白鵬が勝った後、3場所休場して、調子はまだ十分じゃないと見ら
れてた朝青龍が決定戦で勝ち優勝したもんで、たいした精神力だ、って感心。
こっちはビール飲んで夕食食べて、ショーチュー飲んで、うつらうつら、わが精神
力は今どのあたりなんだろうか、って思う間もなく休日の幕は下りるのであった。