2/23のねこさん 文は田島薫
ねこさんの服
ここんとこねこさんはうまちゃんとうまにちゃんが普通に歩き回ってるのを見るぐら
いなもんで、なんとか別な話をひねり出さなくちゃ、えーっと、あ、そーだ、土曜に
駅の方歩いて行った時、ねこの親子をたまに見かけるアパートの前の道路をウスチャ
のねこさんが横切って行くのが向こうに見えた。で、そばまで行くと横切った先のフ
ェンスとどっかの寮の建物の間の通路の向こうにさっきのウスチャがいて、そのまた
向こうにはシロ地にクロ柄のがいた。毛の色が全然違うのに、ふたりは親子か兄弟の
ように見えた。で、その毛を人間の服に例えて、って、お、なかなか私もやるな〜。
ねこさんの毛ってその色といい柄といい、類を見ないほどバラエティに富んでておし
ゃれだね〜、って言っても、ひとりひとりのねこさんは色と柄1回決められるとずっ
と、四季ばかりか一生を通してそれで行かなくちゃならないわけで、人間がいろんな
服着替えるのとは大分違う。
しかし、もしねこさんが人間のようにしょちゅう毛の色や柄を着替えてたら、憶えに
くいし、判別も間違えちゃいそうだ。
人間だって、本当はそれぞれの個性をいちばんよく表わしてる服をひとつにしていつ
もそれ着てれば、より判別がきいていいんじゃないかとも思う。そういうわけで、私
はけっこういつも同じ服着てます。(ただ貧乏なだけじゃん)