昨日の日記 文は田島薫
退院のお祝い
手術後退院まで最低3週間、って言われてたのに、あまりに元気なおふくろを見た担
当医から2週間半でその許可が出た。あまり調子よすぎるのもちょっと、大丈夫かよ、
って思った通り、退院当日色のわるい固いのがやっと出るまで便秘だった、って不安
を残したまま退院。
バスで家人とおふくろと3人で帰って来たら、るす番のおやじもさすがにうれしそう。
今晩お祝にごちそうを食べよう、って言うもんで、とくに食べたいごちそう、っても
んを持たない家人と私、それに、第一、当のおふくろが病み上がりで、おかゆとかぼ
ちゃの煮付けぐらいしか食えないわけだから、それはやめよう、ってやり過ごしたつ
もりだったんだけど、翌日のきのうになり、また、お気楽さんがそれを主張した。
寿司がだめだったら、私はトンカツがいいな〜、っておやじ、トンカツもわれわれは
食べたくないな〜、ってわれわれ、じゃ、アジフライでも、っておやじ、ほら、それ
買ってくれば晩のおかず料理することないから楽だろそっちも、って。アジフライか
〜、あんまり食いたくないけどま、いいか〜、って顔を見合わせるわれわれ。
その後、つけ加えておやじが言った、トンカツはそのまま食うんじゃなくて、カツド
ンにするんだかんね、たまねぎきざんで、サっと卵でとじるだけで簡単なんだから、
だって。
ペーパードライバーで練習してた家人に、肉や、車で行きなさい、って指示するおや
じ。せまい道や混んでるところはハンドル操作に不安だから、って言う家人。大丈夫、
肉やの道は車ほとんど通ってないし、肉やの前は広い、って言うおやじ。
車で出かけてみると、気がつかなかったわれわれも悪いんだけど、肉やの前が衆議院
選の投票場の小学校で、途中の道路も後から後から車がやって来るたんびに、車を道
の端に寄せてやりすごしながら、のそのそ着いたら肉やの前にも車がいっぱい。
肉やはどうも特売日だったようで、待ってるのや次々来るのや客が多い。注文してか
ら、15分ぐらい待たされた後、アゲモノの包み持って、なんとか帰って来てから、
おやじのお祝料理の調理は病み上がりのおふくろ当人にやらせ、ひとり満足気にカツ
ドンほおばるおやじのそばで、おかゆをのそのそ食うおふくろとほとんどころもだけ
のアジフライとイカフライおかずにごはんをもそもそと食うわれわれであった。