思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいの「ぼけのたわごと」、タイトル変えました。
政権交代実現したら、シャン先生、却って心配もふえたようです。



ぼんやりとした不安    

09年8月30日午後8時、衆院選結果を報じる全てのテレビ局が民主党300議席超を

告げているのを見たとたん頭の中がまっ白になった。

うまく表現できないが、それは国家が崩壊した旧共産圏の人々、日本で例えれば終戦の年

8月15日に玉音放送を聞いた瞬間に国民が感じたものと同じだと思う。

独裁政権のもと、重圧された生活からの解放、片や戦争からの解放。その喜びの反面将来

に対するとらえどころのない不安。特別応援したわけでもなく、毛嫌いしたわけでもなく

54年間続いた自民党政権というぬるま湯から飛び出す不安。たぶんこんなところだろう。

旧共産圏の一党独裁とちがって民意により続いた一党独裁の崩壊。民主党が期待されて交

代した政権ならこんな不安は感じないのだが、大きな前触れもなく半ばムードで覆された

政権には一抹の不安がある。

芥川龍之介ではないが「僕の将来に対する唯ぼんやりとした不安」である。


しかし、政権交代はいいことだ。

民主党に望むことは、些細なことでおたおたせず王道を歩いてもらいたい。せっかちな国

民はすぐに不満をもらすだろう。そのチャンスを逃さず官僚は、サボタージュ、リーク、

自爆テロの三種の神器で足を掬ってくるはずだ。過去の金、女の問題が出てもそれが政治

の大局に影響がなければ知らん顔をするがよい。昔の自民党がそうであったように政治に

力があれば国民はすぐに忘れる。もうひとつは、小澤、岡田の間をうまく調整すること。

これは首脳部の問題ではなく、平の議員党員に求めたい。親分の意向に盲従するのでなく

民主党政権はいかにあるべきかを心してもらいたい。


自民党に求めることは、今回当選した議員諸侯は沈みかけた泥船から逃げだすようなこと

はしないでもらいたい。それと、大連立なんて絶対に考えないこと。また、「審議にあた

っては是々非々で応じ、健全な野党として対処する」なんてバカなことを言っていないで

大いに暴れてもらいたい。

本当に反対する事が生じたときは、過っての野党がやったように審議拒否、議場封鎖とな

んでもやるがよい。そうしたことの積み重ねで、国民が真の保守党になにを求めているの

かを掴みなおして新しい自民党を作ってもらいたい。そうでなければ二大政党なんて夢の

また夢である。


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