●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃん、人間界の真理をしみじみ感じてるようだす。



天と地のハザマに生きる

この世の人というのは、天と地の間に生きている。

つい最近、私が体験したその具体的例をご紹介しましょう。


特に親しくないんだけど、仕方のないお付き合いで女性だけの酒席に参加しなくてはならな

くなった。特に親しくない、そして、ぜんぜん親しくもない人とのお付き合いというのは、

気が重い。一緒に出席しなくてはならない親しい人に「行きたくないよぅ・・・!」と正直

に言ったら「私だって行きたくないけどね〜行かないと後がコワいからね〜」と言っていた。

もうひとりの親しい人も「今回は初めてだから、いちおうね〜参加しなきゃなーと思って〜」

と言っていた。

どしゃ降りの雨の中、気が重いまま出掛けた。案の定、面白くなかった。

ビールは飲む人だけ一人一本。あとはウーロン茶。それは幹事が決めたことではなくて、口

うるさいオバサンがいて、勝手に決めたことだった。幹事の二人も「あたしたちはお飾りだ

から。全部あの人にお伺いを立てなきゃならなかったの!」と怒りと疲れを露わにしていた。

従わなければそれこそ存在を全否定されるほど、悪口を言われるからだ。私は会費計5,112

円を払って、ビール一口も飲まなかった。別の人が「ビール飲んだら、あの人に後々まで何

やかんやうるさく言われるからね〜」って言っていた。


その数日前には、親しい友人たちと子連れと犬連れでお茶を飲んでいた。

誰もなにも言わないのに、美味しいお菓子をひとり一品持ち寄って、美味しいお茶やコーヒ

ーを飲みながら、なんてことのないお喋りをした。マナミちゃんの1歳になる息子ユーマ君

はうーとかあーとか言いながら、うちの愛犬わたるにくっついて歩いたり、並んで座って外

を見ていたりと、まるで兄弟のようだと言って、みんなで楽しく笑っていた。

今年新一年生になったユウカちゃんは、年下のフウちゃんにいろいろと教えていて、フウち

ゃんはそんなユウカちゃんをあこがれのお姉さんのように見ていた。ユウカちゃんの兄、ハ

ルキ君は愛犬マメの面倒をみたり、みんなのリーダーとして行動していた。ミカちゃんの旦

那さんは、仕事と趣味を兼ねた実験の準備を進めていて、盛り上がった我々とはまた別の世

界にいた。

「あぁ楽しい!今度みんなで合宿したいよね〜」って2年前の合い言葉を久々に言ってみた。

「そーだよね!」ってみんな口々に言っていた。


一週間の間に天国と地獄を経験した。

我々人は、そんな世界を行ったり来たりしてその間で生きているのだ。

この世には鬼も仏も、確かに居る。


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