9/16の日記 文は田島薫
上野動物園
3連休だし、たまにはどっか出かけてみっか?、って同居人と相談、プロデュー
サーの尾形さんから彼の友人のカメラマンが上野動物園内のギャラリーで「世界
の動物園」って写真展やってるのを紹介されてたんで、一緒に動物見物もできる
「お得感」もあり、最終日の昨日の休日行くことにした。
休日の動物園は閉館まで2時間しかない午後3時ごろだというのに、外国人も混ぜ
た家族連れやカップルで賑わっていた。
上野公園へはよく行っていたんだけど、動物園に入るのは前回からもう十年以上
経っていたはずなのに、入ったらもう昨日来たような気がした。
写真展は不忍池の方の西園なので、下の自動車道の上にかかった橋を渡るために、
歩いて行く木々の間の散歩道は、深緑と青空と向こうの水の気配に包まれ、気分
がいい。お、木に放し飼いのめずらしい鳥が、って一瞬カラスを見間違える。
写真展は思ったより小じんまりしたスペースで地味に行われていて、愛想のいい
受付け女性と、客はわれわれの他、2組ほどだったけど、ロンドン在住のそのカ
メラマンのB全ぐらいに大きくプリントアウトされた写真には各国の国民性やら
雰囲気を象徴した自由な発想が活写されており、絵創りも見事だった。
先に仕舞っちゃう写真展をこなしてから、ゆっくり動物を見てまわった。
無邪気に遊び回るかわうその他はみんな、どっか寂し気で、呆然と座り込んでい
るか、いらいらと歩き回っているかのどっちかのようだった。
それでも子供達はみんな大喜びしてて、あ、くまだくまだ、とか、ゴリラだゴリ
ラだ、って言って、中でも、いつも布を持ってるゴリラがいて、それを肩にかけ
て木から下りて歩いて行くのを見た子供が、親に、お風呂?って聞いたら、親が
お風呂じゃないと思うよ、って、楽しそう。
人気のある場所から、少し薄暗くなり人陰もなくなってきた地味なふくろうなん
かのいる檻の前を抜けて係員からあいさつを受けながら出口門を出た。