9/8の日記 文は田島薫
晩夏の感傷
土曜の朝事務所見てみたら、月曜入稿希望のファックス原稿が入ってたもんで、
本来休日なんだけど、文句言わず午前中の洗濯や食料の買い出しの後、午後は
ありがたく仕事させていただいた。
夜はビールやショーチュ−の後、心地よく仮眠して夜中の3時半に起き、サッ
カーWカップ、アジア最終予選の初戦、対バーレーンを見た。
前半、中村俊介の見事なフリーキックによるゴールなどで2点先取。後半も中
村憲剛のこれまた見事なロングシュートで追加点。こりゃ楽勝だ、って思って
た最後の5分ぐらいで、1点返され、続いて、キーパーにパスしたボールがオ
ウンゴールで、あっという間に3対2になり、スカッとしない辛勝だった。
日曜朝のテレビは丸木スマと大道あやの絵画展の紹介、娘のあやさん、母親の
絵の方がおもしろい、って、母親は楽しそうに描いてたけど自分は苦しかった、
って、私もスマさんの絵の方を評価しちゃうんだけど、あやさんの謙虚さから、
彼女の絵に秘められた価値も意識させられた。
午後は同居人と散歩をかねレンタルビデオを返却しに行って粒コショーを半ダ
ース買って帰って来てから、これも同居人と伸び放題の雑草の床屋を30分ぐら
いして家ン中入ったら、間もなく大雨が降って来た。
その場運動して風呂入って、ビールとショーチュ−飲んで、ギター弾いて、新
聞読んで、っていつもと同じようなパターンやってもう夏は終わったんだな〜、
って、またテレビつけたら、イタリーの田舎町の散歩ってのをやってて、丘の
街並の一番上の方の家の前に、無愛想な男が立ってて、見晴らしのいい場所は
どこか、って聞くと、じぶんちの屋上だから見るか?、って。
屋上からは、街並や広大なオリーブ畑、その向こうに濃紺のアドリア海の夕景
の大パノラマ。
いつもこの風景ながめてるんですか?うんよくながめるよ。こんな風景見ると、
いやなことなんか忘れちゃいますね、って聞くと、うん、いやなことは忘れち
ゃうよ、って言って、少しうれしそうに笑った。別れる時もその笑顔は消えな
かった。イタリアの果てでも、人はいやなことも抱えて生きてるんだね〜。