10/14の日記          文は田島薫

黄昏の公園

3連休、いつもと同じようなことして終わるだろうと思われた最終日のきのうの

午後、もっと生活に変化を!よしっ、って思い切って出かけてみっか?、ってこ

とにして、同居人と自転車に分乗し、わが市内の別所沼公園へデジカメとニセビ

ール持って出発した。


15分ほどで到着。こんなに近い場所に水と木々の気持いい公園がある、っていう

のに、考えてみると前回、花見の季節に来てからもう10年近く経ってることにな

りそうだから、年月経つのが早いこと。

公園には元気な親子連れか孤独そうな老人がいて、無邪気に走りまわる子供と若

い親と、そうでない組、われわれもどっちかっていえばそっちのふたりぐみ。


ふたりぐみはじゃ記念写真撮ろう(どこが記念写真だ、って)って、デジカメ出

してシャッター押したらいきなり電池切れのランプ点灯。しょうがないね、って

あきらめようとしたら、同居人、どうしても撮りたいから電池買って来てくれ、

って言うもんで、公園の外のコンビニ行ったらアルカリ電池がふだん買ってる店

の価格の3倍もするんで、2倍マンガンの電池でも何枚かは撮れるだろ、って買っ

てもどったら、電池2本で同居人を1枚撮って電池切れ、新しい2本入れて私を1

枚撮ってもらって電池全4本分撮影機能終了。乏しい電池の余力でやっと画像再

生だけしてみると、自己イメージと違う初老の顔が写ってる。


逆光に光る沼の縁で釣りをする人や、背後のジョギングロードを通る親子連れを

ながめたりしながら、ベンチでふたり、背中まるめて缶ビール飲み、ポテトチッ

プ噛んでると、小さなハトが何羽か歩いてたもんで、エサはやっちゃいけないは

ずだ、ちょっとだけね、って言いながら、割ったチップまいて、親し気に近寄っ

て来るハトを観察した。


野生(?)動物ってのはどんなんでも見てて飽きないし、いつも、美しいね〜、

って感じるもんで、ほとんど今回のテーマは「黄昏の水辺でハトを見ながらビー

ルを飲む会」ってことに私の中で決定した。(そんなこと決定してどうする)

缶ビールを飲み終わるまでの短い会はさっさと閉会になり、自転車で、沼をひと

回りしながら、ありがちなパターン通りの親子の情景やら、孤独な老人の後ろ姿

などをながめてからわれわれは、短い帰路についたのであった。


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