●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃんちの友だちの輪は国境を越えてんだす。


ホームステイの青年たち

少し前に、ホームステイの青年を受け入れするボランティアに参加した。

うちでは、私が高校生くらいの時からホストファミリーのボランティアをやっていた。

ここ何年かは生活が落ち着かなかったので、受け入れをしていなかったが、このたび

思い切って再開したという次第。

受け入れ依頼のお知らせが来て、まず先に相談したのが夫。うちの夫の育った環境で

は、外人が家に来るなんてことは皆無だし、英語も全く話せないので、ホストファミ

リーって何をするのか、きちんと説明しようと思った。その次には母。母には少し前

から「ホストファミリーのボランティアを再開したい」という旨の話はしていた。今

回は一泊二日の短いホームステイで「アンタがちゃんと通訳するなら」という条件で、

夫も母もOKサイン。

当日、夫と共に集合場所へ迎えに行き、主催の団体が、各国の青年とホストファミリ

ーのマッチング&ランチパーティを催してくれた。うちに来ることになった韓国のミ

ヌ君は、日本語が話せるので、夫と楽しく話していた。中国のハミン君は全く日本語

が話せないが、我々の英語と日本語チャンポンでの会話は難なく成立した。ランチパ

ーティ終了後、みんなで蔵王へお釜を見に行き、二人とも「素晴らしい、素晴らしい」

を連発していた。

その後、うちに着いてから小さいバーベキューパーティをした。

「ジャパニーズスタイル」っていうか「ウチ流スタイル」なので、彼らはどこに座っ

て良いのか、何を食べて良いのか、少し戸惑ったようだけど、そのうち夫の気の良い

仲間二人が訪ねて来てくれたので、一気に盛り上がった。彼らも全く英語が話せない

が、言葉は通じなくても、「楽しく愉快に」は世界共通なのだ。私はいつになく疲れ

たのか、最後の方はもうゲロゲロで全く覚えていない。海外から来たお客様をほった

らかしにして、さっさと寝たようだった。

翌朝、ゆっくり起きてお昼にみんなでお蕎麦屋さんに行った。中国のハミン君は蕎麦

を初めて食べたが、気に入ってもらえたようだった。母も我々についてきて、そば湯

の注ぎ口を「ここなんて言うんだっけな…?デパーチャー(出発口)!?」とルー大

柴氏なみの英語で皆を大爆笑させた。お勘定の時は「私、サイフ忘れてきたから」と

こっそりと、しかも平気で私に言い放った。

そうして短いホームステイは終わり、ゆかいな仲間たちみんなで彼ら山形駅まで見送

りに行った。夫の友人のオオタキ君は、初めてちゃんと話した(?)外国の人ともの

すごく仲良くなったので、とても名残惜しかったらしく、後から聞いたら少し涙ぐん

でいたそうな。もうひとりの友人、タカシさんは年上らしく「好青年、っていう感じ

ですがすがしい」と言っていた。私も、久々に再開したホームステイのボランティア

で彼らと出会えたことはとても喜ばしく、こんな経験ができることを感謝した。そし

てウチの母は、今週から中国に旅行に行くため、円と元のレートをしつこく聞いてい

たが、彼らは本当に親切に教えてくれていたので「やっぱり優秀な人が来るもんだ」

とひとりで納得していた。


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