11/17の日記 文は田島薫
小雨の散歩
日曜の午後は図書館で借りた読み残り谷川俊太郎の詩集と「人を嫌うことについ
て」って逆説的なおもしろい本をこなして、なるほど、って感心しながら小雨の
中、いつもは自転車のところを歩きで返しに出かけた。
や、雨ん中歩くのも気持いいね〜、運動にもなるし、って思いながら、え〜と何
分ぐらいかかんだったかな、って時計見たりして、坂上がってしばらく歩いて、
行程の3分の1ぐらい来た時、いかんCDも返すやつあった、って気がついた。
おいおい、いやいや、もっとたっぷり散歩を満喫しろ、って神さまからの指令だ、
って納得、じゃ、違う道から戻ろう、って墓場と木立のある坂を下って、散歩楽
しみ、また出かけ直し、今度もすぐに坂上がらず、ずーっと向こうの別の道から
神社横のなだらかな坂を上って行った。
図書館着くと、志ん生の本とまた谷川俊太郎の詩集の続編とセロニアスモンク、
ビリーホリディ、チャンプルーズのCDなどを借りてから、帰りも散歩の続きを
楽しんだ。
ずっとほとんど住宅街なんだけど、へい越し、それぞれの小さな庭の植木の葉が
盛りの頃とは違った様々な色合いになり美しい。
ずっと前に住宅が取壊されて更地になった空き地の豊かな枯れ草が美しい。
小雨に濡れた景色の秋色はなかなかのもんで、ひっそりと澄んだ空気の中をひと
りでそれらを鑑賞しつつ歩くことは、人生のかなり大切な時間だなあ、って大げ
さに感じたのだった。
じぶんちにいろいろ植木つくって鑑賞するのもいいんだろうけど、散歩しながら
それらを全部鑑賞させていただく方が効率いいし健康にもいい気がした。
途中の道にある新築高級建売、業者の社員なんかが留守番したりして、1年ぐら
い売れてないのをいつも他人事ながら心配してたんだけど、それの2軒のうちの
1軒に灯りがともり、玄関に名前の入った表札がついてたので、お〜よかったね
〜って、何だか少しほっとした。