ぼけのたわごと             文は上一朝(しゃんかずとも)


大変お待たせいたしました。
大好評だった酩酊放談のシャンせんせい、装い新たに復活しました。
シャンさん、タイトル気に入っちゃったようで、今回もそこは動きません。

動いてはみたけれど                             

前号は、動きたかったけれど、文芸春秋6月号のために動けませんでした。

中国の胡錦濤国家主席は、愛ちゃんと卓球で体を動かし、われらの福田首相は口を動か

して日中の関係改善に動き、中国四川省では大地震で地面が動きました。余談になりま

すが、小生これはチベットで坊主をイジメタ祟りだと思っています。

地震災害の救援のため、日本の国際緊急援助隊も動きましたが、日中双方の思惑が合わ

ず大きな成果は上がらなかったようです。この緊急援助隊の活動を報じるマスコミ報道

には、好意というものが感じられません。次からつぎと生存者が救出されるのがあたり

まえのような報道があるかと思うと、中国側の不手際や作業妨害があるような記事もあ

ります。まるで、せっかく行ってやったのに特等席を用意しなかった中国が悪い、と言

っているようです。

あれだけの災害です。被災地も広大だし、日本ほど地震災害に意識が高くない国の混乱

を思えば不手際があってもおかしくないでしょう。阪神淡路大地震のときの不手際を思

い出せばいいのです。それに、国際緊急援助隊は、警察、海上保安庁、消防で構成され

ています。皆、情報収集のプロです。そういう人たちを核施設があるような場所に簡単

に入れるわけがありません。マスコミはこのような事情を知っているのですから、生存

者救出という本来の目的が達成されなくても、正邪二分をするような報道をするべきで

はないと思います。

第二陣の医療チームも最前線を希望したが入れられず、四川大学華西病院で活動するこ

とになりました。この処置は正しいと思います。最前線へ行っても言葉の問題があり、

ただ、包帯を巻いたり、絆創膏を貼るだけの医療ではもったいないです。時間も経過し

ていることでもあり、多くの罹災者が集まる病院でこそ医療チームの救命医療の真価が

発揮されるのではないでしょうか。

政府は、国際緊急援助隊も医療チームの派遣も外交活動の一環としていますが、どこの

国もおなじことです。異なるのは、やりかたに血が通っているかどうかです。“さすが

日本”と言われたいのなら、医師一人に通訳一人をつけて送り込めば、喝采を浴びたで

しょう。

毎度のことながら、わが偉大な政府はこういう時にやることがわかっていません。イラ

ク派兵もそうです。いつも、いつも“動いてはみたけれど”の繰り返しです。


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