3/3のしゅちょう             文は田島薫


(自然保護について)

わが国は国土の大部分が緑の山に囲まれた自然豊かな国、といったように見

えるんだけど、その緑の98%が杉などの植林による人工林なんだそうだ。

木材の生産供給のために時の農林省が雑木林をどんどんそれに植え変える事

を奨励したためで、現在ではその需要もほとんどなくなり、ただでさえ根の

浅い杉林などの放置された陽の入らない人工林の土壌は下草が生えず、保水

力がなくなり、大雨になれば土砂崩れを起こしたり、川の急な増水氾濫を起

こしたりするのだ。

そうすると、川の氾濫を防ぐという理由で、コンクリを使ってダムやら護岸

工事などが始まる。

そうすると、今度は川の水が植物などでされてた自然浄化ができなくなり、

水が濁り、魚も住めない、土砂を流すただのどぶ川に変貌して行く。


けっきょく、雑木林の力を読み違えた人の浅知恵による弊害が蔓延している

のだけど、現在の農水省もそれの反省に乏しく、従来の浅知恵、悪循環行政

を懲りずに続けているのだ。

川の氾濫などを懸念するなら、ダムやら人工護岸工事なんかをするより、杉

林などを雑木林に戻したり、それの手入れなどをもっとする、ってことで、

より環境を自然に近いものに戻して行く、ってことが基本なのだ。

それは山ばかりではなく、都市部においてさえも言えるはずで、緑がなくな

れば、景観のうるおいがなくなったり、空気の清浄作用が失われたり、大雨

で一気に下水が氾濫したり、大火事などの歯止めがなくなったりの、自然を

軽んじたための数々の罰がくだるのだ。


ここらで、ただひたすらコンクリで国土固めりゃいい、っていった馬鹿事業

をやめて、本当の意味での自然保護に金や人力を尽くすべきなのだ。

蔓延する杉花粉症だって、その浅知恵のおかげなんだし。

川ばかりじゃなくて、大波避けに日本じゅうの沿岸に置かれた膨大な量のテ

トラポットも、馬鹿げた迷惑効果を生んでるようだから、とにかく自民行政

が浅知恵発動してコンクリで自然に対して何か作る意志を示した時はわれわ

れは十分気をつけましょう。




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