●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回のたえちゃん、早くも自分史に挑戦だすか。


自分史を、書く。

友人が自分史を書いた。

そしてそれを小冊子にまとめて、友達に配った。

そんで友人は「自分史を書いてみよう」のセミナーを開催した。ゲストのこれまた友人を

招いての。参加者もほぼ友人。だからぜんぜん誰も気取ってなかった。

自分のことって、よく分かっているようで分かっていないとか、整理できないとか、そん

な感じだと思う。だから、自分のことをまとめるのも、最近の出来事から書き出していっ

た。そんで、グループの中で発表し合いっこする。相手が友人なもんだから、「小学校の

時さぁ、」とか「高校の頃さぁ、」みたいな感じで、話しやすかった。

そして、ゲストスピーカーとして、これもまた友人つながりで仲間二人が10分くらい話を

した。それぞれ家族と自分のかかわりのお話。

ひとりは、戸籍謄本から見る自分と家族たち。

もうひとりは、1ヶ月前に父親をガンで亡くした時の話。

どちらの話も胸にじぃーんときて、ちょっと涙をぬぐう人もいた。

そして、友人の初めてのセミナーは無事に終わった。

その数日後。

ふと、私も戸籍謄本を取得してみようと思い、いそいそと市役所へ向かった。

お役所の方々は注文を忘れているんじゃないかと思うくらい待った。いやしかし、もしか

したら綿密な仕事をしているんじゃないかと思い直したりの時間だった。

順番が来て戸籍謄本が手に入ったすぐ、待ち合いの椅子に腰をかけてパラパラとめくって

みた。知っている名前もあれば、「・・・?」って名前の人もいた。それからじっくり見

ようと思い、チャリンコ猛ダッシュで家に帰って見た。

手書きで達筆なんだよね、昔の人は。読み慣れない文字と漢字を丁寧に見た。

感慨深かった。亡き父の生まれる前、子供の頃に亡くなったお姉さんたち(私にとっては、

おばさん)の名前や誕生日、亡くなった日にちや届け出た人、名前を初めて知った人、今

は何処に居るか分からなくなった大叔父や大叔母など。でも、確かに戸籍謄本に載ってい

るのだから、自分につながる大きな大きな家族。

今は100歳の祖父の両親の名前があった。私は初めて知ったので、嬉しくなって祖父に

「おじいちゃんのお父さんとお母さんの名前が載ってるよ。」って教えた。祖父は「うん、

間違いない。」と言っていて、自分の父親の名前は分かっていたが、母親の名前を忘れて

いた!なるほど納得。祖父は12人兄弟の6番目なのだ。昔のお母さんは忙しくて、今ほど

ひとりの子供に手をかけていなかったんだろうな、って勝手に解釈した。


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