2/25のしゅちょう             文は田島薫


(常識論の非情について)

インド洋での自衛隊の海上給油活動がテロとの戦いをする欧米への協力とし

て当然のことだといった意見が自民以外の野党の中にもあるんだけど、それ

は、アフガンやイラクのためと言うより、けっきょく、米国との関係を第一

に考えてるわけで、その「戦い」の戦場であるアフガンやイラクでは民衆多

数の生活基盤の崩壊による民衆からの反発により、米軍などの軍事活動で制

圧の対象になっているタリバンなどへの支持が増え、その勢力が盛り返して

いるそうだ。


アフガンやイラクはかつて肥沃な土地で十分な食料を自給してたのに、民主

化のため、と言ったきれい事のかけ声とともに理不尽な外からの軍事攻撃を

受け、国土が荒廃し、その国民の多数が現在、世界的穀物値上げの情況も加

わり、飢えの危機にいるのだ。

アフガンで民衆のための治水や医療などの奉仕活動を続けている医師の中村

哲さんによると、日本人に対して、アフガンの人々は昔から親近感と信頼感

を持ってるんだけど、米国の軍事活動を援助するような、今度再開されそう

な海上給油活動のことなどだれも知らないらしく、もしアフガン人がそれを

知ったなら、日本人に不信感を持つ懸念がある、とのことだった。


テロとの戦い、と言って、本当にテロを撲滅したいのであれば、テロを起こ

す気にさせる、不当に抑圧された貧しい人々の環境を改善することが早道の

はずだろうに、物質に恵まれ、食料不足による飢えなどを身近に感じること

のできない人々の国が、勝手な都合で他国を攻撃し、そのおかげで飢えなど

の貧困が拡大してる、といった事実に目をつぶり、本当にそれらの国の国民

の福祉を考えるなら、軍事行動よりも民生活動を重視して、軍事に回す予算

で十分な福祉を与えることができるはずなのに、それよりも米国の顔色の方

を重視する日本の政治家たちは、アフガンの民衆のことを本当に考えてると

は言えないだろうに、それをしているようなことを平然と主張しているのだ。




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