2/18のしゅちょう 文は田島薫
(虚業と実業について)
預金金利がただ同然だったりすることもあって、株の売買をしてその利ざや
を稼ぐ株式投機が一般人の間でも盛んらしく、それを本職にしてしまう企業
や個人も増えてるようで、先日政治家がそういった職業人に対して侮蔑的な
発言をしたことに対して、それが真面目な仕事だ、って怒る人もいた。
確かに資本主義経済は投資家がいることによって成り立ってるわけで、それ
を一方的に批判するのは理が通らないわけなんだけど、それの本来の考え方
は、新しい事業を始めようとする企業の事業の社会的有用性に賛同し、それ
を金銭で補助することで社会進歩に貢献する意識が基本であって、その後、
いいものなら成功し、金銭的な利益も見込めるはずだから、それも大いに期
待するけど、もし、利益が出なかったとしても、それが少しでも社会貢献に
なれば良しとしよう、もしどちらも失敗だったとしたら、自分のその事業に
対する読みが間違っていたのだから、十分に検討し次の成功の力にしよう、
って、ように、ひとつの企業と長い時間運命共同体のように付き合うことの
はずで、企業の事業の内容もよく理解しようともせずに、株価の変動の流れ
だけを見て、ちょこちょこ短時間で売り買いをくり返すことではないのだ。
第一そういった売り買いで儲ける人間がいれば、損する人間がいるわけで、
それらのペアがシーソーゲームやってるようなもんで、投資される側の企業
にとっても、社会にとってもいいことなんかなくて、喜ぶのは手数料を稼ぐ
証券会社のみで、そういった仕事は、けっきょく、パチンコや競馬と同じ、
ただの博打となんら変わることのない虚業なのだ。
資本主義社会の理念のいいところがあるとすれば、社会的にも志を持ってい
るけど金がない事業家を盛り上げてやろう、っていう、金を持ってるものの
これまた社会的な志、ってところなのだ。
投資家ばかりじゃなくて、今の日本、大銀行でさえ虚業に成り下がってるわ
けで、こっちは博打はしない代わり、一番必要な仕事もしてないのだ。
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