8/18のしゅちょう             文は田島薫

(北京オリンピックについて)

チベットに対する圧政や旧住居街の取壊しなどの批判を受けつつ、中国北京オリ

ンピックが無事開催された。

中国初のそれ、ってことで、施設や道路造りに開催日ぎりぎりまで頑張り、開会

式には、名映画監督チャン・イーモウ演出による様々な仕掛けがあり、会場いっ

ぱいにうめ尽くす演者を動員し、練習に気が遠くなるほどの時間をかけたのだろ

う複雑で見ごたえあるマスパフォーマンスを繰り広げた。

国家の威信をかけてるわけだから、中国が凸版印刷技術の発祥だといった自負や、

4000年の歴史や文化を誇示する演出もあり、他民族国家であることも、各民族

衣裳を着た子供たちの群れで表わしたり、少女がすばらしい歌を独唱し、花火が

北京の街じゅうに大量に打ち上げられた。

だれが見ても壮大な時間と知恵と労力を惜しまずに成されたすばらしい演出と出

来だった、って讃辞を贈るだけでいいのだ。

不体裁と判断した景観にシートなどでカモフラージュされてたり、放映された花

火の映像の一部にはCGが使われてたとか、独唱美少女は口パクだったとか、民

族衣裳の子供たちのほとんどが漢民族だったとか、エンターテイメントの世界で

はよくあることだし、自分たちだってしょちゅうやってるようなことを、少し先

に、経済的に成功した、ってだけのわが国がナンボのもんだって、ほんのちょっ

と前、おらんちでもオリンピックだ〜、ってばたばた頑張って、由緒ある日本橋

の上ぎりぎりに道路乗けっちゃうような国の住人である石原都知事のような人間

が、自己評価を勘違いして侮蔑的コメントをした。

尻に火つけながらそんな尊大な発言する意味がどこにある、って言うのだ。

他国の努力に敬意を払う、って教養も身につけられなかった苦労知らずのぼんぼ

んが、気安く他国に喧嘩売るようなマネだけはやめて欲しいもんだ。




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