4/21の日記 文は田島薫
また近所の住人と立ち話、
土曜は、…って先週と同じ書き出しで同じような話すんだけど、先週と違うのは
ちょっと小雨が降ったりしてるさえない天気の下だったこと。
庭の山桃の木の幹が大きくなるにつれて、どういうわけか表皮の裂けてる箇所が
出て来て、もう何年か前にも、そういうとこに専門の治療剤を塗ったんだけど、
またそういうのが目立つようになったもんで、自転車で大工園芸センターへ行き
買って来たやつを塗ってると、前の道を3軒向こう隣の国谷さん、っておやじが
なんか悩みあんのか、暗い顔してうつむいたままこっちに気がつかずに素通りし
ようとしてたんで、こらっ、…とは言わない、で、こんちわ、ってこっちから声
かけたら、さっきの表情がうそのように顔を輝かして、話し出した。
だいたい、この山桃の木の前にいると、話題に困ってもじもじするようなことが
なくて助かる、彼もやっぱり、知ってるかもしれないとしてもとりあえず、これ
は何の木?って聞いてきた。
で、実がなるの?、ならないとすると、オスか〜、っておきまりの会話が続き、
山桃の実の話からザクロの話になり、それが中国のウィグル地区でさかんに植え
られている理由、先日出かけて途中ケーブルカーだけど登った大変だった中国の
泰山の話、毎日4〜5キロ歩いてる話、中国語習ってて、すぐ忘れちゃう、って
言いながら、中国人の先生にうまさを誉められた話、銭形平次のようなテレビ見
て日本酒たくさん飲んじゃう話などたっぷり語ってから去って行った。
彼の奥さんは30年も前に亡くなって、ずっとひとり暮らしで、けっこう話し相手
にいつも不足を感じているのかも知れないんだけど、今年81になる、って割に足
取り軽くて、うちの近所の中高年はみんなこんななのだ。
で、作業続けてると今度は毎日連れ立ってスーパーへ出かける別の中高年夫婦が
通りかかり、山桃か〜?何やってんだ〜?木の治療?木の治療だってさ、って、
おやじが女房に言ってる、女房、木の治療〜、ふ〜ん、って言いながら仲良く去
って行った。